エロといっても過激なものではなく、思春期に体験したようなあの甘酸っぱい記憶をまとめた『ほのエロ記』。春夏秋冬ごとに、日本のエロの原点を求めて著者が各地を旅をする痛快エッセイだ。
「夏のエロ」ことグラビア写真集に対しては「意味もなく水に濡れ、意味もなく横たわり、上目づかいで、いつも髪が乱れている」と著者得意の鋭いツッコみが炸裂。
そうかと思えば、人生で初めて足を踏み入れた「秋のエロ」ことポルノ映画館では、入るより先に「女2人でポルノ映画館に行くのに適した服装」について真剣に考えてみる。
どこか人とは異なったモノの見方と、独自の観察眼は、さすがは今一番有名なエッセイスト。
著者のファンであれば、男女関係なく必ず楽しめる作品だろう。(税別1400円)