MLBのマリナーズは10月24日(日本時間25日)、川崎とのメジャー契約を解除し、40人枠から外したと発表した。川崎は来季も米国でのプレーを希望しているという。
昨オフ、川崎はソフトバンクからFA権を行使し、「イチローさんと一緒にプレーがしたい」として、マリナーズとマイナー契約を交わした。スプリングキャンプは招待選手で参加し、オープン戦で首位打者となって、開幕メジャーの座をつかみ、メジャー契約に昇格した。
ただ、メジャーでの年俸は100万ドル程度(当時約8200万円)とみられ、11年の2億4000万円(推定)から大幅減俸となった。
川崎は二塁、三塁、遊撃をこなし、非常時の第3捕手に指名されるなど、ユーティリティープレーヤーとして、ベンチには欠かせない選手だった。しかし、スタメン出場はわずか25試合にとどまり、大方、代走や守備固めでの出場が多かった。
残した成績は61試合出場、104打数20安打0本塁打7打点で、打率は.192と2割にも満たなかった。セールスポイントの足も2盗塁に終わり、アピール不足は否めなかった。
7月には師と慕ったイチロー外野手がヤンキースにトレードとなり、川崎がマリナーズに入団した意義自体が薄れていた。
今後、川崎は新たなプレー先を模索することになりそうだが、日本で首位打者も獲得した西岡剛内野手(前ツインズ)ですら、満足なチャンスを与えられないまま、自由契約となるなど、メジャーでの日本人内野手に対する評価は低い。日本でもこれといった勲章がない川崎が、今季の成績で、他球団と“メジャー契約”を勝ち取るとなると、険しい道のりが待っているとしかいいようがない。
折りしも、ヤンキースでは正遊撃手のデレク・ジーター内野手がプレーオフで左足首を骨折し、完治には4、5か月かかる見通しで、来季の開幕に不安が残る。イチローがチームに残留するなら、いっそ「イチロー・ストーカー」の初志を貫徹して、ヤンキースに押しかけ入団志願するのもいいかもしれない。
(落合一郎)
【訂正】文中に打点2とありましたが打点7の間違いです、訂正してお詫び致します。