同球団では正捕手のミゲル・オリボが、4月30日(日本時間5月1日)に右足を負傷。翌5月1日(同2日)に故障者リスト入りした。復帰は6月以降になる見込みで、残る捕手は指名打者での起用が多いヘスス・モンテロと、打撃が弱いジョン・ジェイソのみ。マイナーにこれといった代わりの人材もいないため、非常事態にエリック・ウェッジ監督が指名したのが川崎だった。
控えながら、二塁、三塁、遊撃をこなすユーティリティープレーヤーぶりを発揮している川崎に白羽の矢が立ったのだ。ウェッジ監督は「緊急時の第3捕手が必要。彼なら何でもできるし、頼まれたことは何でもやってくれる。もしもに備えて適性をみたい」と大マジメ。
2日(同3日)、川崎はジェフ・ダッツ三塁コーチ指導の下、プロテクター、レガーズを着用し、捕手練習に汗を流した。ダッツコーチは「彼はプロのアスリート。いい感じでやっている」と評価した。
今後、ブルペン捕手を務める計画もある。ウェッジ監督は「他の選手を試すかもしれないが、とりあえず様子をみたい。彼が進んで引き受けてくれたのだから私も期待する」と、当面は川崎を第3捕手とする意向を示した。
小学生時代に捕手経験があるという川崎は「「何の問題もない。遊撃手をやれと言われた時と一緒」と、意欲を見せた。
ソフトバンク在籍時は絶対的な遊撃のレギュラー。捕手挑戦など、まずあり得ない話。だが、マイナー契約からメジャーにはい上がって来た男には、もはや変なプライドなどない。
フォア・ザ・チームの精神が監督の心に響いたのか、3日(同4日)のレイズ戦(トロピカーナフィールド)では、4試合ぶりに9番遊撃でスタメン起用された。
未知なる世界にチャレンジする川崎。まさしく、緊急時には岩隈久志投手との夢の(?)バッテリーが見られるかもしれない。
(落合一郎)