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日産ゴーン会長逮捕 安倍政権VSフランス「国家威信」代理戦争①

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提供:週刊実話

 東京地検特捜部が日産前会長兼ルノーCEOのカルロス・ゴーン容疑者(64)を金融商品取引法違反容疑で逮捕(11月19日)した事件は、世界に衝撃を与えている。日仏政府は逮捕直後、ルノーのあるフランスで日仏経産担当大臣らが緊急会談、今後の対応策と事態の鎮静化のため「日産とルノーが協力関係維持を確認」との共同声明を発表した。

 ゴーン容疑者逮捕に関しては「日産をめぐる日本・安倍政権VS仏・マクロン政権の激しい主導権争いが勃発しており、ゴーン会長逮捕は国策捜査」(海外メディア記者)という説が強まっている。さらに、ゴーン逮捕における攻防は今後、逮捕に関わった東京地検をも巻き込み、世界的大論争に発展しそうな雲行きだ。

 ゴーン逮捕の裏で一体何が起こっているのか。まずはルノーと日産とゴーン容疑者の歴史的経緯を簡単におさらいしておこう。

 1980年代、日本の自動車メーカーでトヨタと二分する力を持っていたのが日産自動車(以下日産)だ。日産はプレジデントなどの高級車やスカイラインなどで「高級車・技術のニッサン」と称された。だが、販売網の弱さと、塩路一郎元自動車総連会長が絶大な影響力を誇った強い労組に翻弄された。トヨタには大きく水を開けられ、さらにバブル崩壊で’98年には約2兆円の有利子負債を抱え経営危機に陥る。これを救ったのが仏ルノー。’99年、6430億円を出資、日産の株式36・8%を取得しテコ入れした。当時、ルノー副社長だったゴーン容疑者が日産最高執行責任者(COO)に送り込まれたのだ。

 ゴーン容疑者は「コストカッター」の異名のもと、約2万人の従業員のクビ切りと大幅な工場閉鎖で’03年6月に負債を完済し、日産をV字回復させた。以来、ゴーン容疑者は存在感を高め権限を強化、トップとして20年の歳月を経てきた。

 では、なぜゴーン会長が逮捕されたのか。安倍政権VS仏マクロン政権の構図はなぜ起きたのか。事件の核心の背景を順に追う。
①日産の飛躍
「技術のニッサン」はここ数年、再び往時の輝きを取り戻しつつあった。それどころか救済してくれたルノーをしのぐ勢いだ。
「EV車や、ノート人気で2017年の世界販売台数は日産が約580万台、ルノーが約380万台で大差が出た。売上高も日産が約12兆円、ルノーは約8兆円。いまや、ルノーは日産におんぶにダッコ状態でルノーが日産から吸い上げる利益は46%にも達しているのです」(自動車アナリスト)
 だが、日産株を43%所有するルノーとの主従関係は変わらない。しかも、仏政府はルノー筆頭株主(15%)で、仏政府は日産を完全支配化に置こうとしたという。

②逮捕劇への動き。
 今年3月29日、米金融通信ブルームバーグは「ルノーが日産を合併、新会社上場の可能性を協議」、さらに「ゴーン氏が交渉を推進」と報じた。
「ゴーンは最初はルノーと日産の経営統合には猛反対した。だが、雇用確保と自国産業保護のため仏政府は強硬姿勢を崩さなかった。仏政府は株を長期保有する株主の議決権を倍にできる『フロランジュ法』で30%の議決権を得る。それを盾にゴーンがルノーと日産の統合を進めないならルノーCEOはクビ、推進なら続投の二者択一を迫ったのです。今年2月、ゴーンはCEO選択で仏政府に屈しCEO期限の’22年までに日産をルノーの完全配下にする確約をしたのが真相のようです」(金融アナリスト)
 それを裏付けるような最新の動向もある。
「逮捕直前の11月8日には、マクロン大統領をルノー工場に案内する役をゴーンは買って出ている。マクロン大統領もご満悦だったといいます。日産がルノーに吸収されるカウントダウンは始まっていたともいえます」(経済担当記者)

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