ジャーナリストがストーカー被害の実態を追った末にとんでもない事実を知ったり、大家族の取材中に父親の激しいDVを目のあたりにしたり。
まさに事実は小説よりも奇なりを地で行くドキュメンタリーの醍醐味なのだが、実はこれすべてフィクション。ここで「なんだやらせか」と言ってしまってはいけない。
フィクションだけあって最後にはアッと驚くオチが待っている。ドキュメンタリー中の伏線を読み解き、オチを推測する楽しさが本書にはあるのだ。
サスペンス初心者のためにオチの解説が付いていればさらに良かった。この夏は「フェイクドキュメンタリー」と呼ばれる新たなサスペンスをお試しあれ。(税別1429円)