『WWE Live Osaka』
▽8月31日 エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館) 観衆3,693人
世界最大のプロレス団体WWEは8月31日、今年初の大阪公演をエディオンアリーナ大阪で開催した。
宝城カイリことカイリ・セインが登場した。彼女は元スターダムで、8月18日に中継された、WWEのファームブランドNXTのビッグマッチ「テイクオーバー」で、日本人ではASUKAに続いて2人目となるNXT女子王座を奪取した。WWE入団後、初の凱旋マッチとあって、試合前には特別に囲み会見の場が設けられた。
カイリは「初めての凱旋なので、そこに何かお土産を持って帰れたらいいなとずっと思っていた。やっぱり一番のお土産はチャンピオンベルト」と感慨深げに振り返る。「今まで6年NXTの歴史がある中で、8人しか巻いたことないNXTの女子のベルトを巻くことができて、本当に光栄。今日こうしてみなさんに日本でこのベルトをお披露目できるのが本当にうれしく思います」とベルトを机の上に置きながら感無量の表情を浮かべ、チャンピオンとして凱旋できた喜びをストレートに言葉に出した。
スターダム時代の同僚だった紫雷イオがWWEに入団し、NXTに配属されたことについて聞かれると、「イオさんとは毎日パフォーマンスセンターでも会いますし、プライベートでもよく一緒にご飯に行ったりしてうれしいです」と明かした。
カイリは続けた。「私、ずっと今まで1年間一人だったので、プロレスの会話は全部英語になっちゃう。細かいことは頭の中で一人で考えるしかなかったんですけど、今イオさんが来て『あそここうしたら良かったのかな?』とかお互いの試合について意見交換できたり。それがすっごい私はうれしい」と喜びを爆発させていた。気心が知れたイオが移籍してきたことは、カイリにとってかなりプラスの出来事だったようだ。
試合での絡みについては「今後組むのか対立するのかまだ分からないですけど、どっちになっても、いいものを見せられるんじゃないかなと思います」と話す。「日本でいた時よりもお互いがパワーアップして、もっとすごいものを見せられるんじゃないかなと。(日本の女子プロレスの素晴らしさを世界に広めたい?)そうですね。やっぱ日本のプロレスの良さとアメリカのプロレスの良さのどっちもある。それをうまくミックスしていい感じにできたらいいなと思いますね」と今後の抱負を力強く語ってくれた。
大歓声に包まれながら第3試合の6人タッグマッチの赤コーナーサイドの3人目に入場したカイリは、堂々とした出で立ち。腰にはNXT女子王座のチャンピオンベルトが巻かれていた。試合ではパートナー2人の好アシストもあり、裏拳から、トップロープに上り、インセイン・エルボーでサラ・ローガンを沈めると3カウントが入り、完璧な勝利を収めた。見事に凱旋試合を務め上げ、試合後にはベルトを客席に掲げてアピール。そこには宝城カイリの姿はなかった。まさにスーパースター、カイリ・セインの姿だった。
今後の快進撃にも期待したい。
取材・写真 / どら増田