『DDT LIVE!マジ卍 #15』
▽28日 東京・新木場1stRING 観衆220人(超満員札止め)
AbemaTV格闘チャンネルの人気番組でもあるDDTプロレスの生番組『DDT LIVE!マジ卍』(毎週火曜日)で事件が起きた。
5月28日の同大会で、DDT最高峰タイトルKO-D無差別級王座への“いつでもどこでも挑戦権”(いつどこ挑戦権)を獲得していたセンダイガールズの里村明衣子が、14日の大会でK王者だった入江茂弘に“いつどこ挑戦権”を28日に行使するとアピールした。しかし、スーパー・ササダンゴマシンから“いつどこ挑戦権”を譲渡された男色ディーノが横取りする形で権利を行使。入江から王座を奪取してしまったのだ。
これに怒り心頭の里村は改めて28日に“いつどこ挑戦権”の行使を表明すると、ディーノに正々堂々と挑戦した。試合は里村がディーノの男色殺法に苦戦したが、観客の大きな声援に後押しされる形で、粘りに粘った。ディーノはいつも以上に手加減なしのシリアスな闘いで里村を攻め込んだが、最後は女子でトップを張っている里村の意地が上回った。スコーピオライジング、デスバレーボム、そしてトドメのスコーピオライジングを連発で決めて完勝。里村が第66代王者となり、KO-D無差別級王座初の女子王者となった。
試合後、里村は改めて入江を次期挑戦者に指名したが、入江はディーノへの怒りが収まらず。10.21両国国技館大会のメインに立ちたいディーノは里村へのリターンマッチを主張。すると混乱するリング上のやり取りを見た高木三四郎社長がリングに上がり、9.23後楽園ホール大会で里村対入江対ディーノのサバイバル3WAYマッチを開くと社長権限で決定。通常の3WAYマッチは誰かが勝利した時点で試合が終了するが、今回はその後も残った2人が闘い、勝った選手が王者となり、10.21両国大会のメインに出場するルールになりそうだ。
最後にリングに残った里村は「きょうベルトを獲ったのには意味がある。まずは両国のメインに立って、私が中心になってやる。世の中の女性たち!もう我慢する時代は終わったんだよ!男と対等に勝負できないなんて思ってんじゃねぇぞ!私はこれから女でも男でも強い奴らと対等に勝負してやるから!」と世の女性に向けてメッセージを送った。
アメリカのWWEで“日本人女子プロレスのレジェンド”と紹介された里村だが、ライバルのアジャ・コングとともに本人の中ではまだまだ“ING”である。師匠・長与千種をカリスマ性、実力ともに超えるような存在になってきた。ここまで来たら10.21両国のメインに王者として立つ姿を見てみたい。里村率いる仙女勢はKO-D6人タッグ戦でも大善戦しているだけに、DDTへの本格参戦で新たなムーブメントを巻き起こすかもしれない。
文・写真 / どら増田