大相撲初場所(両国国技館)で大関復帰を目指す関脇・把瑠都(28=尾上)が、2日目で早くも手痛い1敗を喫した。
昨年秋場所(9月=両国)で右足親指をはく離骨折、九州場所(11月=福岡国際センター)では左太ももを肉離れし、2場所連続で途中休場し負け越した把瑠都は、関脇に陥落。今場所、10勝以上を挙げれば特例で大関に復帰できる。
初日(1月13日)こそ、平幕の豊響(28=境川)を上手投げで破ったものの、2日目(14日)は大関・琴奨菊(28=佐渡ケ嶽)にいいところなく寄り切られ、早くも黒星がついた。
現行の制度となった69年の名古屋場所以降、大関から関脇に陥落した例は16あるが、そのうち大関に復帰できたケースはわずか3割の5例しかない。しかも、2日目までに黒星を喫して再昇格できた例は一度もない。
九州場所で痛めた左足は完治にはほど遠く、場所前満足な稽古はできず、7日の横綱総見も欠席した。相撲内容が良ければ、まだ希望も見いだせるが、この状態では残り13日で9勝以上をマークするのは至難のワザだ。ノルマの10勝を挙げられなければ、一からやり直しとなる。
北の湖理事長(元横綱)は「前半戦でこの1敗は痛い。前に攻めていく相撲を取らないと厳しい」と、ほとんどダメ出し。
体調は万全ではなく、稽古も不十分となれば、頼れるのは気力と地力だけ。残る13日間でサバイバルを懸ける把瑠都だが、大関復帰は風前の灯といえる。
(落合一郎)