新横綱の日馬富士(伊勢ヶ浜=28)が13日目で早々に脱落。14日目まで優勝争いに残っていたのは、大ベテランの前頭6枚目・旭天鵬(友綱=38)ただ一人。白鵬は14日目で優勝を決め、千秋楽は消化相撲となるありさまであった。
白鵬の独走を許してしまったA級戦犯はいうまでもなく日馬富士で、11日目から5連敗。星は9勝に終わり、新横綱で2ケタに届かなかったのは87年九州場所の大乃国(芝田山親方)の8勝以来で、実に25年ぶりの失態となった。
ただ、九州場所をつまらなくしてしまったのは日馬富士だけではない。依然、ふがいない大関陣の責任も大きい。5大関のうち、最低限の務めともいえる2ケタを挙げたのは10勝(5敗)の稀勢の里(鳴戸=26)だけ。鶴竜(井筒=27)とカド番の琴欧洲(佐渡ヶ嶽=29)は9勝6敗、カド番の琴奨菊(佐渡ケ嶽=28)は8勝7敗に終わり、これまたカド番の把瑠都(尾上=28)は2場所連続の途中休場で大関からの陥落が決まった。
5人も大関がいながら、誰も優勝争いに絡めないとなると、そもそもその存在意義自体が問われることにもなりかねない。
ここ数場所の成績を見ると、稀勢の里が4場所連続2ケタで安定感を示してはいるものの、最高が11勝で大勝ちはできていない。他の大関は1ケタで終わることも多く、琴欧洲に至っては、今年1月の初場所での10勝(5敗)以来、5場所続けて1ケタ勝利にとどまっている。
大関の頑張りがなければ、相撲が盛り上がらないのは当然のこと。筆者が以前、提言したが、「2場所続けて1ケタ勝利に終わったら大関陥落」くらいの厳しさを与えなければ、大関陣の体たらくは続くのではなかろうか。
(落合一郎)