日本人選手では、WWE USヘビー級王者の中邑真輔が唯一出場し、ジェフ・ハーディーを相手に防衛戦を行った。ジェフの攻撃を読み切った中邑は一連のムーブメントを見せてから、キンシャサをズバリと決めて完勝。2人の抗争は当初拮抗していたが、闘い続けているうちに中邑の実力が抜きん出てきたイメージが強い。この日も試合後にランディ・オートンが現れた。今後何らかのリアクションを起こすのは間違いなく、US王座をめぐる抗争は続きそうだ。
メインイベントではローマン・レインズがブロック・レスナーのWWEユニバーサル王座に挑戦。「俺はリングサイドでこの試合を見届ける」とブラウン・ストローマンが見守った。彼はレスナーにいつでもどこでも王座に挑戦できる権利証「マネー・イン・ザ・バンク」を保有している。
試合が始まると、序盤はレインズが攻め立てるが、レスナーもギロチンチョークで応戦して激しい攻防を展開。しかし、レインズの攻撃をレスナーがかわすと、場外のストローマンに誤爆。これを見たレスナーはストローマンにF5を決めると、権利証が入ったブリーフケースを投げ飛ばし、イスで滅多打ちにしてしまう。ストローマンに夢中になっているレスナーに対してチャンスを狙っていたレインズは、レスナーがリングに戻ると渾身のスピアーを決めてKO。レインズがレスナーから3カウントを奪ってユニバーサル王座を奪取した。これには会場のファンも大喜びだ。
また、“地球上で最も危険な女”ロンダ・ラウジーが、アレクサ・ブリスのロウ女子王座に挑戦した。
コワモテのアイシャドウメイクで登場して気合十分のロンダは、試合開始からアレクサを攻め立てたが、アレクサはロープに逃げて攻撃を回避。これを見てうんざりしたロンダはリング中央に座り込んで目をつぶり、アレクサを誘い込んだ。背後からアレクサがチョークスリーパーを決めた途端に目を見開くと、そのまま持ち上げて投げ飛ばし、さらにアレクサの腕をひねり上げると最後はアームバーを決めた。最後はアレクサからタップを奪って圧勝した。
最後のひねり上げた角度はかなりヤバイ角度。プロレスの試合というよりは総合格闘技に近かった。デビューから4ヶ月で新ロウ女子王者となったロンダは自身初のタイトル獲得を盟友のナタリアや、リングサイドにいた夫とともに喜んだ。ちなみにこの日はシャーロット・フレアーもスマックダウン女子王座に返り咲いた。一方、WWE王者のAJスタイルズは、家族を巻き込むサモア・ジョーの策略にハマって反則負け。フィン・ベイラーはボディペイントを施したデーモンキングバージョンで登場し、バロン・コービンを秒殺した。
8.31エディオンアリーナ大阪大会までロウはあと2回残されているが、レインズとロンダのチャンピオンとしての勇姿を拝むことができる可能性は極めて高い。これに伴うカードの変更にも大いに期待していいだろう。また凱旋が決まっているカイリ・セインもASUKAに続く日本人2人目のNXT女子王座を戴冠しており、こちらのカードも見逃せない。夏の終わりにミナミがニューヨークになる。
取材・文 / どら増田
写真 / ©2018 WWE, Inc. All Rights Reserved