中邑はあくびをしながら、リターンマッチを主張するジェフに対して、「悲しいピエロだ。涙を隠すためにペイントしているんだ。今夜またピエロを泣かしてやる」と挑発した。
中邑は2日前と同じく、序盤にいきなりローブローを狙った。これをかわされると今度は片足のバック・スタバーから低空のキンシャサを叩き込んだ。しかし、簡単に負けられない前王者のジェフはカウント2で返し続ける。試合終盤になると中邑は勝機と見たのか、キンシャサを繰り返し狙った。これをジェフはかわし、ツイスト・オブ・フェイトから必殺のスワントーンボムを放った。「中邑ピンチ」と思われたその時だ。突如ランディ・オートンが乱入してジェフの足を引っ張り、試合は中邑の反則負けとなった。東京公演のときと同様に、WWEのタイトルは反則やリングアウトでは王座移動しない決まり。中邑は王座を守った。
オートンはその後も場外でジェフを滅多打ちにし、耳元で「どうしてか知りたいか」とささやいてから、ジェフを引っ張り上げると実況席からエレベートDDTを決めてジェフをKOした。オートンは場外にいた新王者の中邑とにらみ合い。オートンはリング上にいたジェフの股間にストンピングを放ってそのままリングを後にした。
試合後、中邑はオートンの登場について「ナイスではない」と戸惑いの表情を浮かべていた。この日もオートンのジェフに対する襲撃に中邑が加担しなかったことをみると、中邑とオートンが合体するとは考えづらい。ベルトを“持っていない”ジェフをつけ狙うオートンの動きは、ベルトを“持っている”中邑にとっても不気味な存在だろう。
またタイトル奪取が期待されていた日本人女子スーパースターのアスカは、これまでアスカの影武者に変装したり、スプレー攻撃などでスマックダウン女子王者カーメラに加担し続けたジェームス・エルズワースの介入にこの日も手を焼いた。隙をついてカーメラに背後から攻撃され、ケージに叩きつけられ3カウント。アスカはまたもやタイトル奪還に失敗した。
文 / どら増田
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