◇今週のこの1枚◇ピンク・フロイド「THE ENDLESS RIVER」(2014/Columbia Records,Division of Sony Music Entertainment)
「バンド? 終わったよ。僕の人生にとって大きな存在だった。ものすごく満足している。でも、もう十分だ。今は自分1人で活動するほうが、楽なんだ」と言っていたデヴィッド・ギルモア(ボーカル、ギター)の発言からピンク・フロイドの活動はないと思われていたが、リチャード・ライト(キーボード)の死を受け、まさかの新譜が発売された。
20年前に発売された「THE DIVISION BELL」は当初2枚組のアルバムにするアイディアがあり、2枚目のディスクにはアンビエントなインストゥルメンタル曲を収録する予定でした。そして今回、エンジニア達のアドバイスを受け、20時間以上に及ぶ音源を聞き直して本作品が完成します。その流れなので最後の曲以外はインストゥルメンタルです。
インストのアルバムだと時間が流れていき、部屋のBGMになってもおかしくない作品も多々ありますが、そこはピンク・フロイドだけあって耳が離しません。時間もスピードも上も下も関係ない、ただ吸い込まれているような状態で、歌がないことも忘れてしまいますね。そして最後の曲で歌が流れてきて、ドキッとする訳です。
このアルバムはリチャード・ライトへのトリビュートだとメンバーが言っています。どのような形であれ、また新譜が聴けた喜びがありますね。当然、多少難解かもしれませんが、気持ちのいいアルバムです。
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