「今はシーズン中なので(去就は)全く考えていません」
オリックスのオフは慌ただしいものとなりそうである。エースの慰留はもちろんだが、クローザーの平野佳寿(30)、馬原孝浩(32)、主将・坂口智隆(30)もFA権を獲得する。平野、馬原は速球を武器にできる“希少な日本人リリーバー”であり、外国人投手に救援部門の中核を任せるチームも多い。一部関係者からは「金子と同等か、それ以上の評価をする球団もある」の声も聞かれ、オリックスは金子の慰留だけに専念できない状況だ。
「イチローのことも気掛かりなはず…」(球界関係者)
ニューヨークヤンキースのイチロー(40)がウエバー公示された。ウエバー公示とは、「この選手をトレードに出します」と、他・米29球団に宣言したようなもの。メジャーリーグにおいて、移籍後のワールドシリーズ出場など制限を受けないトレード期限は7月末までだが、それ以降も移籍はできる。トレードの申し出がなかった場合、イチローはヤンキースでプレーを続けられるが、地元・ニューヨークポスト紙は、契約が今季終了と同時に切れることと、650万ドル(約6億5000万円)という高額年俸を指し、<オフの契約更新で彼がチームに残留する可能性が低い>とも伝えていた(8月8日付け/現地時間)。
「イチローとオリックスは今も良好な関係にあります」(前出・同)
米国人ライターがこう続ける。
「当然、イチローはヤンキースと再契約できなければ新天地を探し、交渉を持ち掛けてくる米球団も少なくないはずです。でも一般論として、40歳を過ぎた外野手に対する評価は厳しい。レギュラーを補償しない獲得交渉ばかりで、大幅な減俸となるでしょう」(米国人ライター)
米球団との交渉が難航した場合、古巣・オリックスは“イチローのプライド”にも配慮するだろう。また、仮説の上に立った情報だが、イチローの日本帰還にもっとも強い関心を示してきたのは、巨人だと伝えられてきた。
巨人は内海、杉内が年齢的衰えと戦っており、先発スタッフの人材不足に陥っている。救援陣にしても、山口、マシソン、久保など人材は豊富だが、今季は西村が不振で苦しい継投が続いている。2ケタ勝利を確実に計算できる先発投手・金子、速球派クローザー・平野、馬原。平成のスタープレーヤー・イチロー。巨人が欲する戦力は、オリックスにある。オリックスバファローズは巨人とのマネー戦争を避けられそうにない。
※オリックス・瀬戸山本部長、金子投手のコメントは共同通信社配信の記事、他規制報道を参考にいたしました。