“めちゃイケ”の前身番組である『とぶくすり』で出会った同期の2組。事務所も違うため、特に仲が良かったわけではなかったという。
また、濱口は、岡村が2010年に体調を崩し長期療養を経てから「丸くなった」と明かす。休みに入る前は何もかも一人で背負っていたところがあったが、帰って来てからは“人が変わった”のだとか。当時について岡村は、プレッシャーで食事も喉を通らず、タバコばかり吸っていたことを回顧。休み明けには「今までスベってきたのは、オレのせいって思っていたけど、よゐこらのせいでもある」と思うようになり、気持ちも楽になったことを明かした。
「番組でも少し触れていましたが、岡村が『めちゃイケ』で復帰する初収録の際、心の病気のため、“あまり笑いにできないのでは?”と懸念していました。しかし、有野がボソッと言った“ちょっと太ったな”というコメントで、岡村は“だいぶ救われた”と語っています。また、視聴者からの励ましの声が書かれたボードを見た岡村が涙を流しそうになった際にも、“オレも(2008年に肺膿瘍で数か月)入院してたけど、こんなのもらわんかった”とボヤき、笑いを起こしていました」(テレビ誌ライター)
いまでこそ、濱口はバラエティー番組に欠かせない“陽”の芸人であるが、デビュー当時は2人とも物静かで“シュール”系のコントをしていた。『めちゃイケ』初期の頃は“普通キャラ”だった濱口も、思うようにドッキリを受けてくれる純粋さと、テスト企画で“おバカ”だと知られ、他番組でもブレイクしていった。
一方、有野は『とぶくすり』で主役の回もあり、“天才”として目立つ存在だったが、『めちゃイケ』が始まるやいなや、影がどんどん薄くなる。彼が番組内で結婚式を挙げた際には、濱口から「他のメンバーに誇れるものあんのか?」と怒ったシーンもあった。
「濱口の叱咤激励のあと、司会の岡村は、有野にアツい言葉をかけました。最後に“がんぶってください”と噛んでしまうと、有野は“がんぶります”と返し笑いを誘いました。このように有野は、人が見逃がしそうなところをきっちり拾う、番組にとってはありがたい存在だったのです」(同上)
『めちゃイケ』が得意としたドキュメンタリー要素に、笑いを入れ込む有野の“ガヤ”の才能が評価され、番組ではたびたびテロップになるほど重要視されていった。
『めちゃイケ』という神輿の上に立っていた岡村を支えたのは、こうしたよゐこや極楽とんぼらレギュラー出演者の力があったからこそだ、と改めて感じさせられた放送だった。