キックボクシング団体RISEのビッグマッチ『RISE WORLD SERIES 2019 Final Round』(16日 千葉・幕張メッセ イベントホール大会)で開催される「RISE WORLD SERIES -58kg級世界トーナメント」決勝戦、志朗戦を前に37戦37勝の“神童”那須川天心は、この一戦について、このように話している。
志朗とは、ジュニア時代から不思議なぐらい“手合わせ”をする機会がなかった。志朗は「もう縁がないんじゃないかなと思った」と笑っていたが、天心が提唱して実現した“世界一”の冠がついたトーナメントの決勝という最高の舞台で、初対決が実現することになった。
「予想はしてましたよ。彼は強い」
天心の実父でTEAM TEPPEN那須川弘幸会長は、タイを拠点に活動していた志朗が勝ち上がって来ることは“想定内”だったことを明らかにしており、準備は万端だ。志朗もボクシングの練習に励み、天心の試合の映像を毎日見るなど、入念な対策と研究、そしてイメージトレーニングをすることで、天心を「丸裸にしたい」考えだ。ファンの間からも「今度こそわからない」という声が出たり、志朗の天然さが人気に繋がっており、期待値も高まっている。
だが、「格闘技を盛り上げたい」とトーナメントの先を見据えている天心にとっては、「そういう選手に負けるわけにはいかない」という思いが強い。そんな中、8日に「日本の格闘技はもっと焦らないと駄目だ」とSNSで発信し、大きな反響を生んだ。これは現地時間7日にアラブ首長国連邦のアブダビで開催された『UFC242』でベラル・ムハマッドに敗れた佐藤天の試合を見て反応したことで、このニュースを知った佐藤も「ここまで考えている那須川天心選手を尊敬する」と発信している。天心は今回のトーナメントに優勝したとしても本当の「世界一」にはならないことを認識しているが、「世界」の称号を手に旅立つ“切符”は得られると考えているようで、本来なら今回のトーナメントの決勝で当たる構想を描いていた“宿敵”ロッタン・ジットムアンノンなど、世界の強豪たちと「日の丸」を背負って闘うことで、格闘技を広めていきたいのではないだろうか。
「聖火ランナーやりたいですね」
これは先日、天心がふと漏らした言葉。2020年の東京はオリンピックイヤー。日本人が世界の強豪を相手にメダル奪取を目指していく。天心の中にある“東京オリンピック”を開幕させるためにもトーナメント優勝は不可欠である。
(どら増田)