作家・あさのあつこさんによる児童向け同名小説を滝田洋二郎監督が映画化した作品です。滝田洋二郎監督といえば、あの『おくりびと』を始めとして、人気漫画の映画化『釣りキチ三平』や作家・東野圭吾さんの小説でもある『秘密』など数々の作品を映画化されています。
主人公を演じる林遣都さんは、この作品ではピッチャー役を演じています。彼は他の出演作品である『風が強く吹いている』ではランナー、『ラブファイト』ではボクサーとスポーツを扱った作品が多いのです。どちらも走りことが欠かせないスポーツです。
私はこれまで「運と何となく」でいろいろなマラソンや駅伝大会に参加させてもらいました。そして、多くの走っている人たちも観てきましたが、主演の林さんの凄いところは今回の作品で走っているフォームと、『風が強く吹いている』でのランニングフォームの違いです。
見事に修整したのか、もしかしたら、もともと綺麗なフォームなんだけど、バッテリーの時は違うフォームを演じていた…個人的な意見としては、どちらでもいいんです。俳優として役に徹する彼が2つの走り方を表現する器用さには憧れと尊敬を強く抱きました。
ランニング雑誌とかで見るフォームの薀蓄で、フォームなんて(あまり)変化しません。また無理して修正しようと変なところに力みが出て、逆に力みながら走っているランナーの方もよく見ます(個人的な意見なのですが…)。結局は、疲れてきたら自身の一番楽なフォームに戻っているわけです…。
この作品は他人を寄せ付けないオーラを出す天才ピッチャーの原田巧、そして彼の病弱な弟との兄弟愛と野球を通しての友だちとの友情と、家族との家族愛が強く描かれています。
<作品プロフィール>
監督/滝田洋二郎
原作/あさのあつこ
出演/林遣都 菅原文太 岸谷五朗 天海祐希 鎗田晟裕
<プロフィール>
西田隆維【にしだ たかゆき】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ
陸上超距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。
09年2月、現役を引退、俳優に転向する。10年5月、舞台『夢二』(もじろう役)でデビュー。ランニングチーム『Air Run Tokyo』のコーチも務めている。