13日に初日を迎えた大相撲5月場所。3月に平年寄・審判部へ異動した貴乃花親方の“再出発”にも注目が集まったこの日、弟子たちが会場のファンを大いに満足させた。
本場所会場への来場者及びに公式サイト・アプリの有料会員向けに実施されている日本相撲協会の「敢闘精神あふれる力士」アンケート。幕内・十両を対象に毎日トップ3までが公表されるこのアンケートで、貴乃花部屋所属の貴景勝(西前頭10枚目・幕内1位)・貴源治(西十両8枚目・十両2位)・貴ノ岩(西十両11枚目・十両3位)がそれぞれランクインを果たした。
元横綱・日馬富士による暴行問題の影響を乗り越え、幕内返り咲きを狙う貴ノ岩は白鷹山(東十両11枚目)と対戦。立ち合いから相手を押し込むと、最後はすくい投げで勝負あり。今場所を新十両として迎えた白鷹山に、関取の洗礼を浴びせた形となった。
貴ノ岩の取組から3番後に土俵に上がった貴源治は、立ち合いからの一気の突き出しで照ノ富士(東十両8枚目)を撃破。この日21歳の誕生日を迎えた貴源治にとって、元大関を圧倒した今取組はいい“バースデープレゼント”になったことだろう。
先場所土を付けられている北勝富士(西前頭9枚目)を押し出しで破り、借りを返した形となったのが貴景勝。土俵際で粘りを見せ白星を掴んだ姿からは、2場所連続で負け越しを喫している悪い流れを断ち切りたいという姿勢が感じられた。
ファンの支持を得る相撲内容を見せた貴乃花部屋の3力士。共に白星発進を決めた彼らの姿は、この日審判として土俵下やビデオ室で取組を見守った貴乃花親方にとっても頼もしく映ったかもしれない。ただ、これだけで満足するほど、貴乃花親方が“ヤワな”師匠ではないということもまた事実だろう。
千秋楽まで残り14日。ファンや師匠に応える活躍を、弟子たちは見せ続けることができるだろうか。