5月場所に関しては、鶴竜の2場所連続優勝や栃ノ心の大関への挑戦、さらには初めて三役に昇進した遠藤の戦いぶりなど注目する点は多い。ただ、やはりファンが一番気にかけているのは横綱・稀勢の里だろう。
現在6場所連続で休場が続いている稀勢の里。現時点で5月場所への出場は明言していないものの、“次の出場場所に進退がかかる”との報道もある。もし出場すれば非常に大きな注目を集めることは想像に難くない。
ところで、最近は前述の稀勢の里や昨年11月に引退した元横綱・日馬富士のこともあってか、“横綱と引退”について耳にすることが多くなった。どんな横綱にも必ず訪れる引退の時。歴代の横綱は、年6場所あるうち、どの場所で身を引いてきたのだろうか。
大相撲の歴史において、年6場所制が確立した1958年1月場所から現在までに引退した横綱は28人(現役中に逝去した玉の海を除く)。これを場所ごとに振り分けると、最も多くの横綱が引退したのは1月場所の10人という結果となった。
1958年の鏡里・吉葉山を皮切りに、昭和時代に“不沈艦”と称された北の湖、また平成では外国人初の横綱・曙や昨今話題を集める貴乃花といった面々が引退している1月場所。1年を占う最初の場所ということもあり、他の場所に比べて進退の決心もつきやすいのかもしれない。
ちなみに、残る5場所での引退人数は、3月場所が5人、5月場所が4人、7月場所が3人、11月場所が6人。9月場所は年6場所制になってからは引退者が出ていない場所で、歴代で見ても羽黒山(1953年)と東富士(1954年)の2名しか引退者が存在していない。
現在の横綱力士は白鵬・鶴竜・稀勢の里の3名。彼らは自らの“死に場所”として、どの場所を選択するのだろうか。