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天国の父に捧げる優勝を 横綱・白鵬が臨む“縁深い”夏場所

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白鵬

 今月9日にこの世を去った父・ジジド・ムンフバト氏の葬儀に出席するため、11日から春巡業を離脱し母国モンゴルへ帰国していた白鵬。その横綱が16日から再び春巡業に合流したことが複数メディアによって報じられている。

 モンゴル相撲における最高位の選手であり、1968年のメキシコシティーオリンピックでは、モンゴル人史上初のメダリスト(男子レスリングフリースタイル・銀メダル)にも輝くなど同国の国民的英雄であったムンフバト氏。自らに多大な影響を与えてくれたその父の死に、白鵬が壮絶な悲しさや寂しさに襲われたことは想像に難くない。

 しかし、歴代1位の記録である通算40回の優勝を誇る大横綱は、その強靭な精神力で再び前を向こうとしている。今年は初場所・3月場所で連続休場を余儀なくされるなど不振が続いているが、来たる5月場所では天国の父のため、土俵上で奮起する姿を見せてくれそうだ。

 ところで、白鵬にとって“5月場所”というのは、非常に縁深く好相性の場所であるということはご存知だろうか。2001年3月場所で初土俵を踏んだ白鵬が、初めて序の口力士として番付に名前を載せたのがその年の5月場所。その後2004年の新入幕、2006年の初優勝、2007年の横綱昇進決定と、力士人生において節目となる出来事の多くが5月場所で起こっている。

 また、上記の新入幕から先の3月場所までの84場所において白鵬は幕内に在位し続けているが、この間で最も多く白星を挙げているのは5月場所(183勝)。また、全6場所の内、唯一幕内での休場や負け越しを経験していないのもこの5月場所である。これまで年間を通して安定感のある成績を残している白鵬だが、こと5月場所はその安定感により一層拍車がかかっている。

 来月13日に初日を迎える5月場所で、天国の父に捧げる復活優勝を果たす。前述したデータを考えると、次場所がこのような結末を迎える可能性は大いにあるだろう。最近何かと喧騒が続く大相撲だが、来たる場所では今一度“平成の大横綱”の取組に注目してみてはどうだろうか。

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