−−なぜ、兄弟でコンビを組んだんですか?
まさよし 僕は中学を出て、1年ぐらい“自宅警備”をしてまして…。
デンペー ひきこもりね(笑)。
まさよし で、16歳のとき、大阪のNGK(なんばグランド花月)を観にいって、トリで今いくよ・くるよ師匠が出たとき、「これだ!」って直感が働いて。そのまま裏の駐車場に行って、「弟子入りさせてください」と言って、そっからですね。師匠の弟子生活は1年間と決められていたんですけど、毎日、奈良の吉野っていうド田舎から大阪まで2時間半かけて、通ってました。今考えたら、よくやったなぁと思いますけど。
デンペー 僕はそのころ、ジャーナリストになりたくて、東京で専門学校に通いながら、カメラマンをしてました。大学に行きながら芸能活動をできればいいなぁと思ってたんですけど、結局は落ちて。母子家庭なんで、お金をかけられないから、母親が編集の仕事をしてたんで、結局同じ仕事をするのがいいのかなぁって、逃げ道を作ってたんですよ。1年後ぐらいに、おばあちゃんと暮らしてた弟から、「組まないか?」って言われて。それまで試行錯誤してたんで、すぐ決めて、大阪に行きました。僕は7か月ぐらいしか、師匠についてないんですけど。
−−おしゃれ大好きなデンペーさんが自由奔放なファッションになり、まさよしさんは落ちついたスーツ姿という、現在の漫才ファッションになったきっかけは?
デンペー 『M-1グランプリ』が2010年までありまして、僕らは2008年が最後で、とうとうファイナリストになれなかったんです。そこで、自分たちの人生を1回考えた。当時はおそろいのスーツを着てたんですけど、「漫才で評価されなかったけど、これからどうする?」って相談して、いったんスーツを脱いでみようって話になったんです。で、僕らのお客さんって女性しかいないから、女性もののブランドを着たらどうだ、と。派手な服来て、「こんなのが8万円!」とか、そこからいじられるようになって、おしゃれの代名詞ってキャラクターがついたんですね。弟には迷惑かけましたけど…。
まさよし ホントは僕のほうが服が好きで、ルミネ(theよしもと)ができたときなんて、服にバンダナ巻いたり、ピンクとか派手な色を取り入れてましたからね。舞台はスーツでも、私服はおしゃれでした。弟子やってたころは、Tシャツにウェストポーチの毎日だったんで、東京来てからは服を買いましたね。
−−15周年記念、そして、8月のライブにかんする想いを聞かせてください。
まさよし M-1が終わって、デンちゃんが変わって、ここから次の5年でどう変わっていくのかなっていうのが、夏の全国ツアーで試されると思うんです。第2段階になるサカイストの、新しい挑戦だと思っています。
デンペー 15年もやってるから、漫才はやれて当然じゃなくて、15年もやって、攻めてたい。30年やっても、もがいてたいし。それができるのが、兄弟の強み。
まさよし 全国ツアーは去年もやらせていただいたんですけど、僕は単純に、漫才の数を打ちたいんです。場所によっては、家族しかいないじゃないの? ってぐらい、売れてないとこもありますけど(苦笑)、今年の夏は、どんどんすべってこうかなって思ってます。こなして終わりじゃなく、チャレンジしてすべったほうが、今の僕たちにとっては点数になるんで。
デンペー 最後にひとつ。これを読んで会いきてくれる人がいたら、わかっていてほしいんですけど、デンペーの顔は生で見ると、思ったよりシワくちゃだよって(笑)。
まさよし おばあちゃんみたいな顔をしているよって。
デンペー せめて、おじいちゃんにしてほしいよって。
【プロフィール】酒井デンペー(左) 1977年1月生まれ。酒井まさよし 79年8月生まれ、ともに東京都出身。DVD『サカイスト単独LIVE全国漫才ツアー「兄弟」』(3,000円)は現在好評発売中。
【サカイスト15周年Anniversary企画「あなたの街に会いに行きます。〜本物のデンペーが行くよ、まさよしも来るよ〜」】
8月1日より全国各地で開催。詳しくは「チケットよしもと」(http://ticket.yoshimoto.co.jp)