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お笑い芸人 豪快伝説 其の十五『西川きよし』

 お笑い芸人。コメディアン。エンターテイナー。そんな彼たちがかつて刻んだ偉大なる伝説、爆笑列伝を紹介していく連載の15回目。フィフーティーンバウトは、西川きよしだ。

 “関西のロイヤルファミリー”といえば、西川きよしだ。妻は、元女優でハーフの西川ヘレン。このボケ&ツッコミ夫婦に、俳優の長男・西川忠志、飲食店オーナーの次男・弘志、タレントの長女・かの子を加えた5人が“構成員”だ。芸能界から離れた弘志以外はみな、きよしと同じ、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属。忠志は、吉本新喜劇の座員でもある。

 ロイヤルファミリーというだけあって、大阪府箕面市に建てられた大豪邸は、超有名。催事や誕生日、年末年始ともなれば、西川の直弟子、孫弟子、親せきなどが一堂に会す。知人のシェフを出張させることも、当たり前だ。これが、かの子の離婚の一因だといわれている。

 元夫の林繁和(現在は裕人)は、教授や理事、副会長など、さまざまな肩書きを持つほど有名な製菓職人。だが、きよしはおかまいなく、身内の誕生日ケーキを作りに来いと、前日に何度も呼びつけたという。

 ある意味、傍若無人といえるきよし。しかし、それはいつしか、“きよし師匠の天然伝説”となって流布され、後輩芸人が笑いのタネにするようになった。たとえば−−。

 日本テレビ系『秘密のケンミンSHOW』のVTR録りをしていたときのこと。ディレクターから、「クレーン上からの撮りでアップになったとき、『大阪最高!』と言ってください」という指示を受けた。しかし、大のベテランが千鳥を前に、「緊張するわ…。緊張するわ…」と連呼。「みんなのいる前でひとことくださいって言われたら、緊張するんや」と続けた。そして、むかえた本番。みんなの拍手ではじまり、きよしがアップになった瞬間、声を張って「緊張するわ」と言った。これが、2度も続いた。

 よしもとが初めて、東京ドームで自社イベントを開催したときも、きよしのドキドキは止まらなかった。よしもとの長として、総合司会者を立派に務めあげなければならないと、思えば思うほどテンションが上がった。そして、ザ・ぼんちを紹介するときに、全力で言った。「お〜さむちゃん、で〜す!」。ザ・ぼんちのおさむが言葉を失ったのは、いうまでもない。

 きよしを語るうえで欠かせないのは、故・横山やすし。名実ともに日本の頂点に輝いた伝説の漫才コンビ・やすきよがいなければ、よしもとの隆盛さえなかった。その恩恵は、死から16年たった今も忘れていないため、きよしは毎日欠かさず、仏壇に手を合わせている。

 ある日のこと。いつものように拝んだら、急に肩が重くなった。きよしはとっさに、「今日は行かないほうがいい」というやすしのお達しだと思ったが、「やすしくん、僕は行くよ」と何度も繰り返して、家を出た。歩いても、歩いても、体の重みは消えない。ふとスーツに目をやると、座布団がくっついていた。

 よしもとは今年、創業100周年。日本最古の芸能事務所は、きよしの生き様でもあるのだ。
(伊藤由華)

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