「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」「ボルベール〈帰郷〉」の“女性賛歌3部作”を始め、深遠にしてバイタリティ豊かな愛の物語を次々と世に送り出し、希代のストーリーテラーの地位を揺るぎないものとしたペドロ・アルモドバル。このスペインの巨匠が放つ「私が、生きる肌」は、かつて誰も観たことのないオリジナリティに満ちた究極の問題作。
愛に狂わされ、神をも恐れぬ禁断の実験に没頭する男と、このうえなく数奇な運命をたどるヒロインの姿を、めくるめく官能と戦慄に彩られた映像美の中に紡ぎ出す。はたしてそれは崇高なる愛の奇跡か、それとも狂気に駆られた悪魔の所業か。すべての答えは、比類なきほど異様な運命をたどる男と女の行く末を見届けた観客に委ねられている。
Photo by José Haro Ó El Deseo