逮捕容疑は、11月30日午後11時45分頃、大阪市中央区東心斎橋2の雑居ビルのエレベーター内で、同府堺市の会社員の男性(45)から、現金約3万4000円入りの財布を盗んだとしている。
同課によると、志津田容疑者は客引きを装い、「うちの店どうですか」と男性の肩に左手をかけ、すきをみて、右手で後ろポケットから財布を瞬時に抜き取ったという。酔客の後をつけるような不審な行動が警戒中の捜査員の目に留まり、職務質問したことから逮捕につながった。
志津田容疑者は容疑を認めており、約30年前から全国各地の繁華街で、“抱きつきすり”を繰り返し、生計を立てており、捜査員の間では知られた存在だったという。
失敗しないように、志津田容疑者は服を着せたマネキンに鈴を付け、気づかれないように盗む練習を続けていた。実況見分でスリを再現した際、被害者役の捜査員も気づかなかったほどの腕前だった。志津田容疑者は「正面から堂々と近づいた方が怪しまれない。5秒あればできる」と供述している。
同課は、府内でほかにも酔客狙いの抱き付きすり常習者が4〜5人いるとみている。この時期、忘年会シーズンで飲酒の機会が増えるため、被害に遭わぬように「むやみに近づいてくる人にはご注意を」と呼び掛けている。
繁華街では財布などの貴重品は、かばんの中にしまうなどの自己防衛が必要なようだ。
(蔵元英二)