本作では自衛隊発足以来最大規模で展開された災害派遣を時系列に沿ってわかりやすくまとめており、ほとんど報道されることがなかった後方支援部隊、具体的には炊き出しや、被災者の入浴支援をした部隊も収録。資料としての価値も非常に高いものだろう。
122分という長い尺の本作。災害派遣活動はもちろん、後半部分に収録をされている総勢26人の自衛官へのインタビューが見所。自身も、家族も被災者という立場にもかかわらず、すべてを後回しにして救援に向かった自衛官、制御不能となった原発へ冷却水を運んでいった自衛官、極寒の海の中、生存者発見のために海に潜り続けた自衛官など、災害派遣の最前線に立って対応した自衛官達への長期間の綿密な取材とインタビューを敢行。発災直後から今現在までの心情を掘り起こしており、自衛官たちがどのような想いで任務に関わったのかがよくわかるようになっている。
制作協力は防衛省、統合幕僚監部、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、財団法人三笠保存会、在日オーストラリア大使館、オーストラリア国防省、オーストラリア空軍、仙台七夕まつり協賛会。岡部いさく監修。ナレーターは山寺宏一。文部科学省選定作品(社会教育 青年・成人向け)。価格1,500円(売り上げの一部は義援金として被災地に寄付させていただきます)。