嶋は、1981年にロックバンド横浜銀蠅の弟分としてデビュー。82年にはドラマ「天まであがれ」の主題歌『男の勲章』が大ヒット。32年間に渡り、映画・テレビ・ドラマをはじめ芸能界で活躍してきた。
スーツ姿で会見場に登場した嶋。「今日を持ちまして、32年間お世話になりました芸能界を引退させていただくことになりました」とあいさつ。
嶋は、2児の父親として暮らしてきた中で、2011年に発生した東日本大震災を経験した。「いてもたってもいられない」気持ちになり、志を同じくする仲間たちと「何かを変えていこう」と確認し合ったことを明かした。いじめを撲滅するための活動などをしているが、「自分の中で何かが足りないと感じ、だったら自分が表に立ってできること、やっていけることというのは政治の活動ではないかと志すようになりました」と政治家を目指すようになった経緯を明かした。
芸能界引退は、芸能活動と政治活動という「二足のわらじ」を履くと、どちらかの活動を犠牲にしなければならなくなるケースの発生が予想され、また、自身の不器用という性格も考慮する中で、決断したという。
今後の活動については、「個人の嶋大輔で全国を回って、施設なり、学校なりでお話を聞きたい」と語った。フェイスブックなどを通して、自身の考えを発進することが「(今後の)自分の仕事」とも。
一部報道で持ち上がった、夏の参院選への自民党からの出馬の可能性については、「白紙」と回答。現在、自民党を含め、政党から出馬の打診らを受けていることはなく、自ら政党へコンタクトを取っていることもないことを説明した。芸能界引退について、芸能界の先輩であり、個人的にも交流があるという自民党の三原じゅん子参院議員をはじめ、芸能界と政界で、相談した人はいないことを語った。
会見の最後に、芸能生活32年間で何が一番“男の勲章”だった? と尋ねられると、「芸能生活の集大成」としての「今日」と答え、笑顔を見せた。(中村道彦)