民放トップは開催日程の延期ができず、「TOYOTAプレゼンツFIFAクラブワールドカップ決勝戦」の試合中にL字型で選挙速報を流した日本テレビの13.1%(午後7時20分から9時29分まで)。以下、テレビ朝日の「選挙ステーション2012・第2部」(午後10時から11時半)が10.1%、午後7時から放送予定だった漫才日本一決定戦の「THE MANZAI」を午後5時半に前倒ししたフジテレビの「FNN総選挙2012ニッポンの決意・第1部」(午後7時58分から9時半)が9.5%で続いた。
「やはり当確速報が正確なNHKは信頼性が高く、各候補者の事務所もNHKがメイン。実際、日テレとTBSは誤報を流した。日テレはサッカーファンに助けられてのトップとなり、フジは『THE MANZAI』の関東地区の平均視聴率が17.3%だったから、かなりの視聴者がチャンネルを変えてしまったようだ」(テレビ関係者)
各局、黙々と選挙速報を流し、各党党首や有力候補者にお堅い質問をぶつける中、異彩を放ったのが10年の参院選特番に続きジャーナリストの池上彰氏を起用したテレビ東京の「池上彰の総選挙ライブ」。速報を正確に伝えながらも、有権者にわかりやすく選挙の説明をしつつ、各党首との中継で激論を展開。
日本維新の会、石原慎太郎代表が日本の会計制度について「こんな国は北朝鮮、パプアニューギニア、フィリピンぐらいだよ」と毒を吐くと、「そんなことをいうから暴走老人といわれるんですよ」などと反論し石原氏が「失礼だな、キミは!」と激怒する一幕も。さらに、テレビでは扱いにくい公明党と創価学会の関係にもズバズバ切り込んだ。
「当確速報とともに流れるプロフィールは自民・石破茂幹事長なら『カレー作りに異様な情熱』、維新・東国原英夫氏なら『たけし軍団→知事→国会 おそるべし上昇志向』など、マニアックかつ明らかに悪意があるとしか思えない情報満載。池上氏は政治家とのしがらみもないので、ドS丸出しの直球質問をぶつけまくる完全な“ガチンコ”で緊張感たっぷりだった」(同)
視聴率こそ第1部(午後7時54分から9時)が8.6%、第2部(午後9時から午前0時24分)が7.4%と民放トップ獲得はならなかったが衝撃的なインパクトを残した。
誤報を打ってしまったTBSは、お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」の上田晋也が選挙特番初司会をつとめた「乱!総選挙2012」を放送したが急ごしらえ感たっぷりで第1部(午後7時57分から9時半)から7.1%とふるわなかった。