指揮官の悩みは尽きない。
代表選手決定後、初の実戦に臨んだ星野ジャパン。初戦となる13日のキューバ戦を前に控え、パ選抜戦では、5回裏に4連打などで一挙4点を挙げ、6-4と逆転勝利したものの、不安材料は枚挙にいとまがない。
まずは投手陣。先発したダルビッシュの調子がいまひとつ。大野豊投手コーチも「バランスが悪かった。気負いすぎて、力が入り、(体の)開きが早くなってコントロールがよくなかった」と指摘するように、甘いボールを打たれ、3回2失点という内容だった。
その後に登板した涌井秀章、杉内俊哉も失点を重ね、結果を残すことはできなかった。
この結果に星野仙一監督は「締まりのないゲームだったなという印象。3者凡退が1度もなかったし、よく勝ったな。早く試合勘を取り戻してほしい。特に投手がね」と苦言を呈した。
だが、それだけでない。2ケタ安打を放ちながらも、4番新井はノーヒット。「犠牲フライじゃ。あんなの仕事に入らない」と不満の様子。
選手の采配をめぐってもまだ決めかねている。本来なら2塁を守る荒木雅博を「バッテリー以外ならどこでも守れる」という理由で外野に、遊撃手の中島裕之を3塁で途中から起用するなど、“星野マジック”も試していた。
ただ、いまだに試行錯誤を重ねている段階で「あと5試合くらいしたい」と本音を漏らした。
五輪開幕を前に課題が山積みの星野ジャパン。1度狂い始めた歯車を戻し、金メダルに近づくことができるだろうか。