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闘将の魂が侍ジャパンを蹴散らす?稲葉監督を悩ます興行戦争

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稲葉篤紀

 侍ジャパンにとって、分岐点となりそうだ。

 3月3日午後7時、野球日本代表「侍ジャパン」がオーストラリア代表チームと対戦する。しかし、その舞台となるナゴヤドームは、同日、異例のダブルヘッダーを組んでおり、稲葉篤紀代表監督(45)は興行戦争にも巻き込まれてしまった。

 午後0時半試合開始。星野仙一氏、追悼試合。中日ドラゴンズ対東北楽天ゴールデンイーグルス――。

 故人と深い関係にあった両球団が申し合わせ、この日に決められたそうだ。関係者は「他意はない」と強く否定していたので、意図的に侍ジャパンの試合日にぶつけてきたわけではないようだ。

 しかし、NPB事務局の関係者はこう漏らしていた。

 「今回が初めてですよ…。侍ジャパンが国際試合興行を始めて久しいですが、海外メディアからの主催申請が一件もありません(同月1日時点)。こんなことは一度もなかったのに」

 稲葉監督の就任以来、侍ジャパンの不人気ぶりを懸念する声は各方面から聞かれていた。NPBは侍ジャパンの強化試合を定期的に行い、新たな収支源に発展させるつもりでいた。興行面を考えれば、元スター選手の監督就任が良かったが、強化スタッフは選手、コーチとして長く代表チームに携わった稲葉氏を推した。この時点から「監督・稲葉は勝てなかったら、侍ジャパンの協賛企業が離れてしまう」ともささやかれていた。

 「こんな言い方は失礼かもしれないが、格下のオーストラリアに負けるようなことはありません。問題は野球ファンをひき付けるような魅力的なチームにできるかどうか。同日は地上波での中継も決まっており、最低でも2ケタ(の視聴率)は確保しないと…」(プロ野球解説者)

 故・星野氏は国際試合の難しさに泣かされた。北京五輪で代表チームを指揮していた際、国際野球連盟が直前になって、「延長11回以降はタイブレーク制」とルール変更し、その準備不足もあり敗退してしまった。ペナントレースとは異なる救援投手の継投策にも頭を抱えていたという。各球団の看板投手を預かったからか、交代をためらい、続投策が裏目にも出た。メダル獲得も果たせず、故人は帰国後にバッシングも浴びている。

 「帰国後、ある学生野球の要人が星野氏にねぎらいの電話を掛けたんです。『オレは犯罪者か!?』と怒っていたそうです。二度と国際試合の指揮官はやりたくないとも愚痴っていたそうです」(NPB関係者)

 “国際試合が苦手”な故人によるものだろうか。中日、楽天の両球団は同日の試合を盛り上げるため、PR活動にも積極的だという。観客動員数で侍ジャパンを上回る可能性もある。

 オーストラリア代表と戦う侍ジャパンのメンバーが招集されたのは、同月1日。ナゴヤドームに近いナゴヤ球場で全体練習を行い、稲葉監督は「東京五輪で金メダルを獲得するための第一歩」と選手たちを鼓舞したそうだ。そういえば、故人も「他の色のメダルはいらん!」と意気込んで北京入りしていた。

 故人が果たせなかった夢を、後輩たちが叶える…。そんな「継承劇」になればいいのだが、興行戦争では追悼試合のほうが優勢だという。稲葉監督は故人の偉大さを知ることになりそうだ。

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