そして75%がお金に関してストレスを感じている。景気はまだ回復しておらず、物価は高く、見たいイベントも見られず、買いたい物も買えず、という状況ではストレスが溜まるのは当然。その割にはアメリカ人の消費者行動として名高いボイコットも起らないから不思議。買わない事が一種のボイコット運動になっているのかもしれない。
対抗策として15%から20%の間と言われているチップをケチって物価高を乗り切る人もいる。私などは過去にNYでウェイトレスをしていた経験もあり、よほどサービスが悪いとかいうのでなければなかなかチップはケチれないが、堂々と10%程度しか置かないアメリカ人もいる。
そんなものでいいのかと思い始めていたら、SOHOグランドホテルという高級ブティックホテルでランチをした時、28ドルの請求に対して50ドル札を出したらモデル並みの細さの美人ウェイトレスに「お釣りは必要ですか?」と聞かれて一瞬何の事かと思った。つまり、チップを出しやすくする為にわざわざ1ドル札をたくさんくれる事があるのだが、小額紙幣が必要ですか、と聞いたのかと思ったのだが、そうではなく、お釣りの22ドルは要りますか、という事だったのだ。「28ドルの支払いに対して100%に近いチップを暗に要求するなんてひどい話!」と後で知人に聞いたら「NYではそんな人もいるからね、聞く分にはいいと思ったんだろうね」という事だった。
チップは実に面倒で、アメリカ人でさえヨーロッパのように込みならいいのに、と言うけれどチップをケチる事によって物価高に対抗できると考える人に取っては大変便利なシステムだろう。
ストレスは頭痛やパニック障害、抵抗力の低下などを引き起こすのでNYではストレスマネジメントはNY生活には不可欠のようだ。ちなみに私がNYで受けるストレスのワーストスリーは、汚くて本数が少なく、特に週末の運行が滅茶苦茶なひどい地下鉄、(ニューヨーカーで地下鉄に怒っている人もいた)物価のバカ高さ、そして冷たいニューヨーカーである。(セリー真坂)