池袋でも庶民の街だったこの辺りは、すっかり変貌を遂げてしまった、と聞くが、実際にはどうなっているだろう。筆者が最後にここに来たのは、2007年に図書館が出来る直前あたりの時期である。現在、新住民・ビジネスマンや観光客などが激しく行き交う…くらいの賑わいは見せているのだろうか。
有楽町線の東池袋駅を降りると、サンシャインシティーに向かってすぐの大きな出口が開けていた。地上に出てみると、駅自体が〈air rise〉という高層マンションになっていて、図書館や企業の入るビルとつながっている。
少し周辺を見回すと、これらビル棟と肩を並べるように、60階はあろうかという、大成建設の巨大なビルが建設中。市街区域開発の一環のようだ。ここから、昔からある公園、ファミリーマート、西友を超えると、すぐ大通りを挟んでサンシャインシティーなのだ。
数年後には、ここからグリーン大通りとぶつかるちょっと先に、区役所も移転する予定。
不況の中だが、東池袋の開発はじわじわと進んでいく方向でしかないような印象を受けた。
冒頭紹介した旧・大勝軒の周辺エリアは、裏路地が一部セットバックで6m道路になり、銭湯が消えていた。しかし、その他の裏道にはまったく変化なし。当時の店こそいくつか消えてもいたが、都電の踏み切り脇の電柱の広告が当時のままだったり、かつて魅せられた古い町風景はなにかと健在だった。
ナンジャタウンで餃子をたらふく食べたら、地元民で変わらぬ賑わいを見せる再開発の街やその裏通りを、ぶらり旅してみるのはいかがだろうか。