『G1クライマックス28』
Aブロック
▽14日 大田区総合体育館 観衆 3,907人(札止め)
▽16日 北海きたえーる(北海道立総合体育センター) 観衆 6,489人(札止め)
4年ぶりに無冠でG1クライマックス(G1)に臨んだオカダ・カズチカが、まさかの連敗スタートだ。6月の大阪城ホール大会でケニー・オメガに敗れIWGPヘビー級王座を明け渡したオカダ。タイトルを再び奪取するためにもG1優勝は譲れないところ。実際、無冠で出場した2012、2014年は優勝しており、IWGPヘビー級王座の挑戦権を得ている。
しかし、14日の初戦ではCHAOSにオカダ自ら誘ったジェイ・ホワイトとの同門対決で、反則を駆使した暴走ファイトの前に敗戦。16日の2戦目では、今シリーズからバレットクラブOBとして名を連ねているバッドラック・ファレと対戦した。
もともとタイトルマッチを除けば、オカダにとってファレは相性が悪い相手。バレットクラブOBは、バレットクラブのオリジナルメンバーとして原点回帰を目指しているのか、結成当初によくあった試合への乱入、介入、反則行為が多く見られる。実際、ファレの初戦は普通に試合をすれば勝てるであろうハングマン・ペイジだったのにもかかわらず、タマとタンガ・ロアがレフェリーを突き飛ばしたため、反則負けを喫している。
この日もロアが最初からセコンドに入った。このあたりは想定内だったのか、オカダもトペ・コンヒーロで場外の2人をまとめて倒すなど、ロアを逆に利用しながら試合を進めていたが、レフェリーがダウンした隙に、タマがリング上のオカダの背後に現れ、ガン・スタンを決めると、ファレが楽々とオカダを担ぎ上げバッドラック・フォールで3カウントを奪った。
15日の前哨戦後に、オカダは「勝ちたいねぇ。負けてばっかりだけど、やっぱり、勝ちたい。勝たなきゃつまんないでしょう。オカダが勝たないと、新日本プロレス観に来たなって気にならないでしょう。ドロップキックを見ても満足できない。レインメーカーを見ても満足できない。勝たなきゃ満足できないでしょう」と語っていた。大会前日会見では髪を赤く染めて「笑顔をテーマに闘いたい」とも話していたが、武闘派と化した2人に連敗したことにより、笑顔を出す余裕はなくなってしまった。8.10日本武道館大会での棚橋弘至戦まで優勝戦線に残れるのか?厳しい船であるのは間違いない。
エース棚橋は、14日の初戦で苦手の鈴木みのると対戦。古傷の膝から足首を狙われ、関節技を6分以上にわたって浴び続けるなど大苦戦するも、一発逆転のハイフライアタックからハイフライフローを決めて辛勝。試合後はインタビュースペースで「痛い」と嘆いたが、その後、大の字になりながら「痛くない!」と言い聞かせて立ち上がり、控室に戻った。
16日の2戦目は、オカダ相手に暴走勝利を収めたジェイが相手だった。今年の1.4東京ドーム大会ではジェイの凱旋試合の相手を務め完勝した棚橋だが、ラフファイトに磨きをかけたジェイの成長は著しかった。みのるが痛めつけた膝に的を絞りながら的確な攻撃をするジェイに棚橋は防戦一方。ただ「ワンチャン」狙いの棚橋は、ジェイが場外から椅子を取り出した隙をついて逆転を狙った。