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新日本G1が閉幕! ギラギラの夏、メラメラの闘いを制したのはケニー・オメガ!

 7月18日に北海道・北海きたえーるで開幕した新日本プロレス真夏の最強決定戦「G1クライマックス26」の優勝決定戦が、14日、東京・両国国技館で行われ、Aブロックを勝ち上がった後藤洋央紀と、Bブロックを勝ち上がったケニー・オメガが対戦。後藤の力技を凌いだケニーが、怒涛のフィニッシュで勝利を収め、初出場&初優勝を飾った。外国人選手の優勝は、G1クライマックス26回の歴史において初の快挙である。

 G1終盤戦を振り返ってみたい。

▼Aブロック

8.6大阪
○タマ・トンガ 対 SANADA×
○ファレ 対 真壁×
○後藤 対 天山×
○石井 対 オカダ×
○棚橋 対 丸藤×

 若干数発売された当日券もあっという間になくなり、5,270人(超満員札止め)の観衆を集めた大阪大会は、異様な熱気に包まれながらスタート。今年のG1で株を一気に上げたタマ・トンガはSANADAをガンスタンで倒す。SANADAはリーグ戦敗退が決定。続く真壁対ファレはファレがリング内外で圧倒的なパワーを見せつけて快勝した。開幕から連勝したものの、その後4連敗を喫しもう負けられない天山だったが、後藤に敗れ5連敗でリーグ戦敗退。「最後のG1」が終わってしまった天山に対して大阪のファンからは暖かい拍手が送られた。セミファイナルでは、石井がオカダを破る波乱が発生。オカダは所属するCHAOSと友好関係を築いている丸藤に続いて、CHAOS同門の石井にも敗れるという予想外の展開となった。メインは過去にも節目節目に闘ってきた棚橋と丸藤の新日本vsノアのエース対決が実現。二人にしかできないようなハイレベルな攻防に、場内は大熱狂。丸藤の攻めに苦しんだ棚橋だが、最後はハイフライフロー2連発で逆転勝利。破竹の4連勝を収め、4勝3敗と勝ち星を先行させた。

8.8横浜
○丸藤 対 タマ・トンガ×
○SANADA 対 石井×
○棚橋 対 天山×
○ファレ 対 オカダ×
○後藤 対 真壁×

 結果によって決勝進出争いが絞られてくる横浜大会は、丸藤がタマ・トンガに順当に勝利を収めると、大阪でオカダを破った石井がSANADAに敗れてリーグ戦敗退。棚橋は天山に勝って連勝を伸ばす。セミファイナルではオカダの背中に狙いを定めたファレが最後はバッドラックフォールで仕留めてオカダは痛い連敗。メインは真壁と後藤が試合開始からゴツゴツとした攻防を繰り広げて、大歓声を浴びる。最後は牛殺しからGTRに一気に畳み掛けた後藤の勝利。「G1のGは後藤のG」とマイクで叫んで大会を締めた。この結果、序盤3連勝と絶好調だった真壁がリーグ戦敗退。決勝進出は5勝3敗で並んだ棚橋、オカダ、後藤、丸藤、ファレの5人に絞られた。

8.12両国

○SANADA 対 天山×
○石井 対 真壁×
○タマ・トンガ 対 ファレ×
○後藤 対 丸藤×
△棚橋 対 オカダ△

 同点の場合、直接対決の結果が反映されることから、棚橋だけが自力優勝が可能という状況で迎えたAブロック公式戦最終日。まず、ファレが盟友タマ・トンガに敗れる波乱で脱落すると、丸藤も後藤に敗れ敗退したため、オカダにも自力優勝が復活。メインは勝った方が決勝進出となり、引き分けた場合に限り、後藤が決勝進出となるシチュエーションで行われた。1.4東京ドーム大会以来となる棚橋vsオカダだが、早期決着を狙ったオカダが序盤から仕掛けていく。しかし棚橋はこれを凌ぐと、徹底した膝攻撃で形勢を逆転する。棚橋優位のまま20分が経過するが、そこからはこの二人ならではの技の読み合いが冴えまくり、一進一退の攻防に場内は大熱狂。最後は残り10秒から正調ハイフライフローを放った棚橋だが、カウント2でタイムアップ。引き分けに終わり、後藤が決勝進出の切符を手に入れた。膝にダメージが残っていたオカダだが、IWGPヘビー級のベルトを渡されると、悔しさを露わにしてセコンドの肩を借りずに自分の足で控室に帰った。

Aブロック成績
後藤洋央紀 6勝3敗 12点
棚橋弘至 5勝3敗1分け 11点
オカダ・カズチカ 5勝3敗1分け 11点
丸藤正道 5勝4敗 10点
バッドラック・ファレ 5勝4敗 10点
真壁刀義 4勝5敗 8点
石井智宏 4勝5敗 8点
SANADA 4勝5敗 8点
タマ・トンガ 4勝5敗 8点
天山広吉 2勝7敗 4点

▼Bブロック

8.7浜松
○矢野 対 エルガン×
○柴田 対 YOSHI-HASHI×
○中嶋 対 本間×
○ケニー 対 永田×
○内藤 対 EVIL×

 3,200人(超満員札止め)をマークした浜松大会は矢野がエルガンから勝利を収める波乱の幕開け。今年のG1、矢野は絶好調だ。本間は中嶋に敗れリーグ戦敗退が決まる。永田とケニーのシングル初対決は、ケニーが片翼の天使で勝利。開幕3連勝の永田は4連敗でリーグ戦敗退が決まる。メインは注目のロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン同門対決。戦前、内藤が警戒していたとおり、EVILは怒涛の大技ラッシュで内藤を苦しめるも、最後はディスティーノで切り返して逆転勝ち。試合後は拳を突き合わせてノーサイド。内藤が決勝進出へ大きな1勝を手に入れた。EVILはリーグ戦敗退。

8.10山形
○ケニー 対 中嶋×
○EVIL 対 矢野×
○内藤 対 YOSHI-HASHI×
○柴田 対 永田×
○エルガン 対 本間×

 ケニーがアメリカROH以来となる中嶋とのシングルを制して自力優勝の可能性を残す。中嶋はリーグ戦敗退。EVILは絶好調の矢野に完勝。矢野は脱落。内藤は今回のG1でダークホース的な活躍を見せているYOSHI-HASHIを寄せつけず、首位で最終日に駒を進める。セミではNEVER王座を争っていた柴田と永田が変わらぬ熱い闘いを展開。柴田がスリーパーで締め落としレフェリーストップで勝利。決勝進出に望みをつなげる。メインは、山形が地元の本間が大ホンマコールに後押しされて奮闘するが、エルガンのパワーに押し切られてしまう。大会を締めたエルガンも柴田と同じく決勝進出に望みをつないだ。

8.13両国
○本間 対 永田×
○矢野 対 YOSHI-HASHI×
○EVIL 対 柴田×
○中嶋 対 エルガン×
○ケニー 対 内藤×

 本間が念願の永田超えを果たして最終戦を終える。EVILは柴田をパワーで圧倒し、リーグ戦敗退させることで内藤を援護。中嶋はIWGPインターコンチネンタル王者のエルガンに勝利を収め、新日本に爪痕を残した。これでエルガンも脱落し、メインは勝ったほうが決勝進出できるが、内藤は引き分けでも進出という若干優位のなか行われた。シングル初対決であり、お互いにヒールユニットのリーダーという立場にあるだけにどんな試合になるのか注目されたが、予想をはるかに超える攻防の数々に両国の観客は終始大興奮。ケニーはスワンダイブ式のトペコンヒーローなど高度な技を次々と決めてみせた。最後は残り時間2分を切ったところで、ケニーが片翼の天使を決めてフォール勝ち。本命の内藤が最後の最後で敗れてしまった。ケニーは初の外国人選手優勝を宣言し大会を締める。

Bブロック成績
ケニー・オメガ 6勝3敗 12点
内藤哲也 6勝3敗 12点
柴田勝頼 5勝4敗 10点
マイケル・エルガン 5勝4敗 10点
矢野通 5勝4敗 10点
中嶋勝彦 5勝4敗 10点
EVIL 4勝5敗 8点
永田裕志 3勝6敗 6点
本間朋晃 3勝6敗 6点
YOSHI-HASHI 3勝6敗 6点

▼優勝決定戦

8.14両国
「G1クライマックス26」優勝決定戦
○ケニー・オメガ(26分49秒 片翼の天使→片エビ固め)後藤洋央紀×
※ケニー・オメガが初優勝

 チケットは前売りで完売し、10,204人(超満員札止め)の観衆を集めた最終日。入場時から両選手には大きな声援が送られた。試合は力で勝る後藤がケニーを追い込んでいくが、ケニーも得意の立体的な技の数々で対応していく。今年の1月にヘビー級に転向したケニーにとって、連日ヘビー級の選手と当たるG1は過酷なものだったに違いない。しかし、ここまでのレスラー生活の全てを後藤にぶつけていくことで、試合のペースを握っていった。シットダウン式ラストライドや、交わされてしまったが、フェニックススプラッシュはかつての盟友、飯伏幸太の技。そしてフィニッシュへの繋ぎとしてバレットクラブの初代リーダー、プリンス・デヴィットのブラッディーサンデー、2代目リーダー、AJスタイルズのスタイルズクラッシュまで使ってみせた。最後の技を自らのオリジナルフィニッシュホールド片翼の天使で決めたのは「新日本がホーム」であるケニーのプライドだろう。文句のつけようがないフィニッシュで、後藤を破り初優勝を飾ったケニーは、ひさびさに流暢な日本語でマイクパフォーマンスを行いファンを喜ばせた。

 約1か月、19大会にも及んだ今年のG1は、オカダでも内藤でも、棚橋でもなく、ケニーが優勝という意外なドラマが待っていた。新日本の戦いはケニーを中心にここから来年の1.4ドームへ向かって一気に走り出していく。棚橋は「ここから必ず中心に戻ってみせますよ」と力強く語り、オカダはG1で敗れた選手と防衛戦を行った上で、1.4ドームのメインに立つ意向を明らかにしている。そして内藤も余裕の表情を崩すことなく前を向いていた。

 ギラギラの夏は終わっても、メラメラな闘いはまだ終わらない。

(どら増田)
<新日Times VOL.30>

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