本作は希林さんが初めて企画を手がけた作品で、浅田の主演も希林さんが奥山プロデューサーに提案して実現した。実際の事件を元に、60を過ぎて、偽りの年齢で男性たちを色香で翻弄する女性の姿を描く。
浅田は本作の大ヒットについて、「希林さんも天国で喜んでくれていると思います」と嬉しそうな表情。希林さんからの進言で本作に主演することになった経緯についても、「(実際の事件を報道した)テレビのワイドショーを見ている時から、希林さんはあんたはこういう役をやればいいよって言ってくれていたんです。わたしにはそういう役来ないよって言っていたら、希林さんがセッティングしてくれて……」と述べて感謝しきり。
映画の中の服はほとんどが私服だといい、「扮装が人を作るという希林さんの考えもありまして。木内さんのお着物も全部本物です」と紹介。「木内さんが劇中で出していた現金も本物です」と映画の中で登場する札束のシーンを振り返ると、木内も「当日100万円おろしてきたんです。撮影で使う札束は普通、真ん中の方はただの白い紙だったりするんですけど、それじゃ気分出ないって」と笑顔でコメント。
山崎も「樹木希林さんが残した作品に少しでも出させてもらえて光栄です」と述べ、「撮影の時にスタッフさんにバッグを持って出てくださいと言われたんですけど、前後のシーン考えると(バッグを肩にかける側が逆で)おかしいシーンになっていたんです。それを希林さんがおかしくない?って。話の前後を考えて役を生きないといけないってアドバイスをくださったんです。すごくありがたかったです」と希林さんとの思い出を回顧。「でも後で考えて、それはスタッフさんが悪い」とも話して会場を笑わせた。
木内も希林さんとの思い出話を紹介。「18くらいから希林さんを知っているんです。その頃の希林さんは怖くて。葉巻なんか吸っていましたからね。あなたいつになったら本気でやるの、わたし待っているのって言われたり。当時、(希林さんが恐くて)何人も辞めた人がいましたよ」とコメント。「わたしのやっているウェブラジオで美代子さんに出ていただいたんですけど、その中で、希林さんが美代子さんの携帯に残したメッセージとかを紹介してもらって、希林さんは本当に美代子さんを愛してくれていたんだなって」と話していた。
(取材・文:名鹿祥史)