ギターやベース、ドラムの代わりに、ズボンのジッパーを上げ下げする音をマイクで拾い、エフェクトを駆使してサウンドを鳴らす非常にユニークなバンド、その名はTHE ZIPPERS(ザ・ジッパーズ)。ノイズ音楽というジャンルだが、彼らの音楽に臨む姿勢はパンクとも評されることがある。
メンバーは、ズボンのジッパーの上げ下げ担当が5人、ミキサー1人の6人構成。ちなみにズボンのジッパーを上げ下げする担当の事を自ら「ジパリスト」と呼んでいる。キッカケは当時のメンバーの1人のズボンのジッパーが全開になっていたことから、神の啓示を受け、現在の音楽スタイルが生まれたとのことだ。ギタリストがギターの材質やメーカーにこだわるように、彼らはズボンのジッパー素材に強いこだわりがあり、金属製や、プラスチック製を使い、サウンドによって使い分ける。ジッパーの歯が粗いと低音が鳴り、逆にジッパーの歯が細かいと高音が鳴るので、バンドのパートごとにジッパーの種類が異なり、ジッパー周辺の布地の種類、布地の張り具合でも音に違いが出るそうだ。ジーンズショップでは誰よりも真剣な表情で、良い音が鳴るズボンのジッパーを探す。あまりにもこだわるので、店員からは怪しまれることもあるそうだ。音のスパンや音色のバリエーションを増やすため、最近では味付け程度にパーカーやツナギのジッパーを使うシーンもある。
オシャレにならないように、股関のジッパーをメインのサウンドに据えるのは変わらない。なぜなら、ズボンの股間に位置するジッパーを上げ下げし、音を奏でる姿こそ、ロックの理想像だからだ。
※THE ZIPPERS(ザ・ジッパーズ)のHP http://2style.net/zippers/top/top.html
文科系忍者記者ドラゴン・ジョー(山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou