鳩山氏は今月2日にツイッターで「CO2の地下貯留のCCSプロジェクトが苫小牧で行われている。大変に大きな圧力をかけてCO2を地下に埋めるのだ」とツイート。また、「しかし米陸軍の調査では、CCSの15キロ離れた辺りで地震が頻発したという」としつつ、「昨年の北海道の厚真地震は正に苫小牧の隣町で起きた。CCSによって起こされた人災との指摘は無視できないと思う」と地震が人工的に起こされた可能性を示唆していた。
その後も、「いわき市沖と苫小牧沖でCCSの実証実験が続けられたが、ご案内の通り東日本大地震と北海道地震が起きている。これらの巨大地震とCCS実験が無関係と言い切れるのか」とツイートしていた鳩山氏。さらに、地震発生直前の夕方6時頃には、「実際、北大の研究者が5年前にその可能性があるとする論文を発表していた」「政府は決して認めないだろうがCCSは再考すべきだ」と批判していた。
21日の地震は鳩山氏の懸念が的中する形となったが、地震発生直後に鳩山氏は再びツイッターを更新し、「本日、再び厚真町を震源とする震度6の地震が起きてしまった」とツイート。「本来地震に殆ど見舞われなかった地域だけに、CCSによる人災と呼ばざるを得ない」と断言していた。
これに対し、ネットからは「事実無根の持論で国民の不安を煽るとは感心出来ません」「それ真っ先に言うことですか?人の心配より自分の意見の正しさを主張する方が重要ですか?」「人災とまで言い切るからには、根拠を提示してください。不謹慎でしかないです」という声が殺到。不確定な情報で不安を煽っているとして炎上している。
今回の地震については、気象庁から昨年9月に最大震度7を記録した北海道胆振東部地震と震源が近く、「一連の地震と考えられる」という見解が発表されている。前回の地震発生後、国立環境研究所は公式ツイッター上で「(CCSと地震は)基本的には無関係」とコメントしており、苫小牧でCCSの実証試験を行っている日本CCS調査株式会社も、「地震の震源は貯留地点より水平距離で約31km離れた胆振地方中東部の深度37kmで発生しております(深さを考慮した直線距離で約47km)。実際の二酸化炭素が圧入された地層と地震の震源が位置する地層とは連続性がなく、二酸化炭素の圧入による影響が本地震の震源まで及んだとは考えられません」と発表していた。
データもなく断言した鳩山氏。ネットユーザーからは不信の声が多く集まっていた。
記事内の引用について
鳩山由紀夫公式ツイッターより https://twitter.com/hatoyamayukio
国立環境研究所公式ツイッターより https://twitter.com/taiwa_kankyo
日本CCS調査株式会社発表文書より
http://www.japanccs.com/wp/wp-content/uploads/2018/09/180912_oshirase.pdf