中国・福建省泉州市の病院で、柿を食べすぎた少年の胃の中から、「胃石」が摘出されたと海外ニュースサイト『Global News』『看看新聞』などが11月12日までに報じた。
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記事によると、中国・泉州市在住の母親(年齢不詳)は、5歳の息子のために、旬の柿を買って帰宅。息子は柿が大好物で、母親が買ってきた柿を一度に4つ食べたという。しばらくして、息子は腹痛を訴えた。腹痛は収まったり、再発したりを繰り返し、胃腸薬を飲んでも改善せず。柿を食べてから約2週間後、母親は息子を連れて、地元の病院を訪れたそうだ。腹部超音波検査を受けたところ、胃の中に「石の塊」が見つかった。大きさは7センチ×3センチほどの球状で、その重さは250グラム以上。息子を診察した医師によると、大量に柿を食べたことで、消化されずに胃中に残った繊維やたんぱく質が、柿の酸成分と結合して結石化、固い石になったものだという。
石を取り出すには手術が必要で、息子は内視鏡手術を受けたそうだ。この手術で、胃の中にできた石の塊を粉砕、小さくして摘出に成功。手術は9時間にも及んだという。手術後、息子は順調に回復、無事退院したそうだ。医師らは、柿については特に注意が必要で、空腹時に食べすぎないように、また熟れていない柿は消化しにくいので、なるべく避けるよう注意を呼びかけている。
このニュースが世界に広がると、ネット上では、「柿で石ができるとは知らなかった」「今は柿が旬。おいしくて4個とか普通に食べる。気を付けよう」「私は柿を食べるとお腹がゆるくなる。柿の成分は強そう」「危険な農薬入っていないよね?成長ホルモンとか」「体によいとされるものでも、食べすぎると逆効果だ」など様々な声が上がった。
柿を大量に食べてできる胃石は、「柿胃石」とも呼ばれ、この症状で病院を訪れる患者は、日本でも報告されている。
徳島医師会Webサイト上の医師の話によると、柿胃石ができる仕組みは、はっきりとは分かっていないという。柿の渋みの成分であるシブオールが、胃酸によって不溶性に変化。これが食物のかすと一緒に固まって、石になると考えられている。柿胃石が見つかったら、胃潰瘍や腸閉塞を起こすこともあるので、早めに取り出す必要があるという。
健康な人で胃石ができる人は、そう多くないようだ。胃の手術を受けた人や、糖尿病などの既往症のある人など、消化機能が弱っている人は、胃石ができやすい傾向にあるので、特に注意が必要だという。
欧米諸国では、毛髪を食べてできる「毛髪胃石」の発症例が多く報告されているが、柿胃石の症例はほとんどないようだ。この理由として、柿が欧米では柿はなじみの薄い果物で、日常的に食べる習慣がない点が挙げられる。柿の主な産地は、日本と中国、韓国だ。柿を食べる機会の多い3カ国を中心に、柿胃石の患者が報告されているという。
柿など旬を迎えたフルーツはおいしいものだ。つい食べすぎてしまうが、ほどほどにしておいた方が良さそうだ。
記事内の引用について
'Food rock' removed from boy's stomach(Global Times)より
https://www.globaltimes.cn/content/1206673.shtml
视频|5岁男童吃了这东西,胃里掏出半斤“石头(看看新聞より)
http://www.kankanews.com/a/2020-11-11/0039574181.shtml
徳島県医師会 ドクターズコラム 健康相談 胃石(徳島県医師会ホームページより)
https://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/hc/638-327
柿の食べ過ぎ「胃石」注意 高知赤十字病院で昨年11月から4例(高知新聞より)
https://www.kochinews.co.jp/article/173381/