部落と在日、それぞれの視点から、平和な日本に根深く残る差別の実態をあぶり出す。阪神淡路大震災、オウム真理教事件、そして自民党内。
対談は得意の歯に衣着せぬ発言の辛氏に対して、百戦錬磨の野中氏が時に圧倒され、時にたしなめるという流れ。
石原慎太郎都知事に話が及ぶと「昨夜石原と飯を食った」という野中氏に対して辛氏が「石原さんと御飯食べられるんですか。なんで!? どこがいい男なんですか。もう私にはわからない」と話を一方的に打ち切ってしまう始末。
辛氏のそういう所に嫌悪を抱かなければ、本書の内容は濃い。(税別724円)