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書評「忠成」加部究著、ゴマブックス

 北京五輪では1次リーグ全敗と早々に姿を消してしまった反町ジャパン。その3戦すべてに李忠成は出場した。その名前を見て、彼が元は日本人ではなかったことに気づいた人もいただろう。この本を読めば、彼が日本代表のユニフォームに袖を通して五輪を戦うことに、他選手とは比較にならない思いを抱いていたことが伝わってくる。

 李忠成(韓国名イ・チュンソン)は在日韓国人の親の元に韓国国籍として生まれた。2つの祖国、2つの名前というあいまいなアイデンティティーは幼少期から彼を苦しめてきた。学校のクラスメイトからも「おまえ日本語しゃべれるの?」と聞かれる始末。そんな彼にはサッカーこそがコミュニケーションだった。
 韓国代表の最終選考合宿にまで呼ばれながら2007年、彼は最終的に日本帰化という道を選んだ。
 今の日本代表に足りない、いつも全力でぶつかる泥臭さを持っている忠成。その湧き上がる熱い魂の根源を知る一冊だ。(税別1500円)

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