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ニューヨークレポート 英語の国で英語を喋らない中国人

 マンハッタンのチャイナタウンに行けば英語が喋れない、喋らない中国人がわんさといる事ぐらいはとっくに知っている。が、接客業の人達なら最低限の英語は喋る。

 ところが、先日はまったく英語の話せないマッサージ師に当たってしまった。毎日マンハッタン中を歩き回って足を酷使しており、相当疲れているだろうとマッサージの店に行ってみた。開いているはずの時間なのにドアが開かなかったので家に戻って電話をしたら中国人男性が出て、さっぱり話が通じない。

 料金設定はチップ込みか、とか今行けば開いているかなどと聞いても料金と営業時間を繰り返すのみ、しかもよくわからない。

 とにかく1時間30ドルというのは日本に比べて安めなので行ってみる事にした。受け付けに中国女性がいて、必要最低限の英語は話す。とにかく料金で揉めては困るのでワンアワー30ドル、と書かれたメニューを見せ、しつこいぐらいに念を押した。脇にいる50代とおぼしき中国人男性が電話に出た人らしい。その男性に付いて、地下に降りる。言葉の通じない中年外国人と2人きりで薄暗い地下に行くというのもゾッとしないが、仕方がない。

 5坪ほどの部屋にマッサージチェアが4台置いてある。シンガポールでレフロクソロジーを受けた時には明るく、外から見える店内で英語が通じるマッサージ師と相対してリラックスできたのだが、とにかく部屋の暗さといい、言葉が通じない点といい、不安が募る。「ホェア・アー・ユー・フロム?(出身はどちら?)」という簡単な英語すら通じないのでこれはもう奥の手を使うしかないと思い、ペン、ペン、と言ってペンと紙を持って来させ、筆談する事にした。

 その昔、チャイナタウンでチャイナドレスを仕立てた時にやはり全く英語が通じないので「何日試着?」などと書いてコミュニケートしたのを思い出したのだ。「何処? 中国」と書くと「シャンハイ」と答える。「我日本人」とか「疲労、足、目」などというのがことごとく通じたのが良かった。ジェスチャーで卓球や水泳、ジョギングをする、と伝えたら「多面手」と書いたからきっと「多趣味ですね」という意味なのだろう。彼が書いた漢字を後で中国語のわかる人に見せたら、息子が東京(トンチン)に7年住んでいるそうだ。

 みっちり1時間足と足裏をマッサージしてもらって30ドルとチップ。気持ちは良かったがあまりリラックスはできなかった気がする。最後にポイントカードをくれて、そこにスティーブと書かれていた。英語が話せないスティーブかあ、とちょっとおかしかった。(セリー真坂)

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