そのような人間は一部だと思いたいのだが、クレームを発端とした事件が多く、日本社会が「クレーマー化」しているとも思えてしまう。そこで今回は、2019年上半期の「クレーム」を発端とした事件を振り返ってみたい。
・幼稚園児の声怒り脅迫
東京都足立区に住む無職の男(71)が、自宅近くで送迎バスを待つ幼稚園児の声に激怒。複数の園児保護者に対し、「朝、駐車場で子供を騒がせるな。静かにさせろ。できなければ何があっても文句を言うな」と書いた手紙をポストに投函し、脅迫。警察に脅迫の疑いで逮捕された。
ある一定の子供の声すら我慢出来ないという事件。男の器の小さい態度に怒りが広がった。なお、動機について男は、「脅迫文として投函したわけではない」と話しているという。ならば、どのような意図があったのだろうか。
・炊飯器が壊れたとクレームを入れ、店にバイクで突撃
兵庫県福崎町の家電量販店で、72歳の女が「購入した炊飯器が壊れている」と度々クレームを入れ、修理や返金を迫る事案が発生。店側はメーカーに確認したが、異常はなかったという。
今年2月にもクレームを入れに来た女性に対し、店長は警察に通報する。すると、女はバイクに乗り一目散に逃走を試み、止めに入った店長に突撃し、傷害容疑で逮捕された。
クレーマー気質の女は、逮捕された後も「店長がぶつかってきた」などと容疑を否認。その行動と思考に、「生粋のクレーマー」「ふざけるな」と怒りの声が噴出した。
・ケンタッキーでWi-Fiが繋がらないとクレームを入れ商品を無料提供させる
今年4月、ある動画配信者と思われる男が、ケンタッキーフライドチキンで店員に「Wi-Fiが繋がらない」と激しくクレームを入れ、謝罪する店員に「ごめんで済むなら警察はいらない」とし、「サービスすればいいんじゃないの」と商品を無料提供させる。
店員は「料金は自分が出す」とし、フライドチキン3つを食べさせてしまう。しかも、男はこの様子を動画撮影し、友人に送ったもので、投稿者は義憤に駆られ、あえてSNSに投稿し糾弾したのだという。
明らかに脅迫行為で、その様子を見たネットユーザーから批判が殺到。撮影者が「謝罪した」との情報もあるが、現在のところ、男がどうなったのかはわかっていない。
クレーマー事件は確実に増えており、ケンタッキー事件のように反社会的勢力さながらに恫喝し、サービスを引き出そうとする悪質な人間もいる。
しかし、それはすべて犯罪行為。また、「お客様は神様」というような論理で威圧的な態度を取るものに対し、サービス従事者が無条件で従わねばならないということはない。
クレーマーについては、簡単に言うことを聞かず、断固たる態度を取るとともに、速やかに警察に通報することをおすすめしたい。