事件があったのは北九州市八幡西区のコンビニエンスストア。今年9月、会計に対応した女性店員(18)に対し、男が料金を置くトレイを投げつけたうえ、「殺すぞ、謝れ」などと脅し、土下座を強要した。その間の女性の恐怖は、大変なものがあったことだろう。
女性店員は先月になり、警察に被害届を提出。防犯カメラなどをチェックした結果、男の関与が浮上し、強要と威力業務妨害の疑いで逮捕された。男は取り調べに対し容疑を認めており、「店員の態度が悪く腹が立った」などと供述している。なお、「殺すぞ」とは言ってないとのこと。もちろんそれでも罪を免れることはないのだが。
今回のような常識の範疇を超えたクレームと土下座強要は社会問題化している。「お客様は神様だ」と言わんばかりに、「気に入らないこと」が発生すると執拗にクレームを入れる、大声や恫喝するなどして脅迫した挙げ句、土下座を強要するのだ。
記憶に新しいところでは、2013年に札幌市内に住む女が、「しまむら」で購入した商品が気に入らないとして店員に因縁をつけ、交通費の返還を求めたうえ土下座を強要した事件がある。女は土下座の様子を写真で撮影したうえ、実名入りでツイートし、猛批判を浴びた。
この他にも、ボーリング場やコンビニなどでクレームをつける様子をまるで楽しむかのように撮影し、SNSにアップロードする事案が発生したことがある。
いずれも常識の範疇を著しく逸脱しており、強要罪で逮捕されている。これらも大々的に報道されているが、今回の事件のように「自分が気に入らない」という理由でクレームを付け、土下座などを強要する事案が発生している状況だ。
土下座の強要や金銭の要求は、当然ながら犯罪となる。店側としては客といえども常識の範疇を超えたクレームをつける客については断固とした態度を取り、退去を促したのち警察に通報してほしい。