一連の報道によると、7月27日午後7時半過ぎ、小松工業高校の吹奏楽部に所属する生徒が、学外の演奏で熱中症となり、ダウン。顧問は病状を鑑み、生徒を保護者に引き渡したうえで病院へ受診させた。
この様子を見たこの生徒のもう1人の保護者が激怒。詳しい理由は不明だが、学校側に不手際があったと勘違いした模様で、顧問に怒鳴り込み。顧問ら教員・生徒代表計4人を長時間正座させた挙げ句、土下座を強要した。その際、吹奏楽部の生徒数名も同席していたようで、異常な光景を見せられ、精神的なショックを受けたという。
学校側は既に県教育委員会に報告し、小松署にも相談している。場合によっては強要罪の適用も考えられるが、現在のところ進展はなく、捜査中のようだ。
小松工業高等学校はスポーツの盛んな学校として知られており、陸上やバレーボール・ハンドボールで高い成績を収めている。また、吹奏楽部も強豪で、全国大会への出場経験を持つ。強すぎるがゆえに、期待値も大きかったということなのだろうか?
昨今、日本大学アメリカンフットボール部や日本レスリング協会、日本体操協会など指導者側のトラブルが相次いでいるが、小松工業高校のように、保護者が指導者に対し「なぜうちの子を使わないのか」「指導方法に問題があるのではないか」など、クレームを入れるケースも少なくないと聞く。
もちろん、それはスポーツ部だけではなく、学校生活でも同様。モンスターペアレントに悩む教師は多く、それが不祥事の遠因になっているのではないかとの声もある。
「よほど厳しく怒鳴り込まれたものでしょうが、不適切な行動がないのならば、断固たる態度をとるべきだった。保護者側も教師を見るので、威厳や自信がなさそうな人間にはヤーヤーと言ってきます。心の弱い教師の中には、モンスターペアレントが原因で退職する人間も少なくありません。落ち度がない場合は、ないと主張しなければいけません」(元教師T氏)
騒動に巻き込まれた顧問ら教師・生徒が、不憫でならない。