田中は5月9日現在、セ・リーグの規定打席到達者35人中最下位となる打率.160を記録。本塁打も0本と長打も放てず、塁に出ていないこともあり盗塁もわずか2つと足でも貢献できていない。
守備でも現在5失策を記録しており、1日の阪神戦では2失策を犯して敗れた要因の一つとなった。緒方監督は「イレギュラーしたんじゃないか」とかばうコメントをしたものの、痛いミスであることに変わりはない。
走攻守で貢献できていない田中に関して、ネットでは「なぜ起用するのか」「もう我慢する段階はとっくに過ぎている!」「代わりに(29歳の田中より5歳若い)曽根を使ってほしい」「これだけ打てなかったらスタメンから外せ!(田中の)身長より打率低いぞ」などと、広島ファンから不満の声が挙がっている。
しかし、緒方監督はなぜ田中を起用するのだろうか。野球ライターの1人はこう語る。
「連続フルイニング出場の記録ですよ。田中は2016年から2018年の3年間全ての試合にフルイニング出場し、今季も記録を継続中です」
この記録が続いているため、うかつに外せないというわけだ。しかし、それだと田中はいつまで起用され続けることになるのか。
「かつて鳥谷敬が、遊撃手として667試合のフルイニング出場記録を出しました。現在(5月9日)603試合の記録を持つ田中はこの数字を意識しているようです。緒方監督も残り65試合は出場させて、記録を更新したいのでしょうね」(同ライター)
あと65試合となると、今季の夏場以降まで起用しなければならない。不調の田中をそれまで使い続けるというのは、チームの順位を捨てることにもつながる。
かつても元阪神の金本知憲氏が、肩の故障の影響で全くボールが投げられないにもかかわらず、起用され続けたことがあった。これも連続フルイニング出場の記録が懸かっていたために起きた事態だったが、案の定金本の守備は悪く、ファンから大きな批判を浴びた。
この時は金本自ら「(スタメンから)外してください」と申し出て記録は途絶えたが、果たして田中の場合はどうなるだろうか。今後の成績とともに注目が集まる。