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アニメ放映直前、賛否両論分かれる『バクマン。』彼女ゲットのために漫画家を目指す生々しいストーリー

 原作・大場つぐみ、作画・小畑健という、一世を風靡したあの『DEATH NOTE』のコンビが現在『週刊少年ジャンプ』で連載中の漫画が『バクマン。』だ。

 物語は中学生離れした画力を持つ主人公の最高(サイコー)に、学年トップの頭脳を持つ秋人(シュージン)が、
 「俺と組んで漫画家になってくれ」
 と頼むところから始まる。その後シュージンが原作を書き、サイコーがそれを漫画原稿にして集英社の『ジャンプ』編集部に持ち込み…という風にストーリーが展開していく、少年達の漫画家としてのサクセスストーリーだ。

 本作は『このマンガがすごい!2010 オトコ編』では見事一位を獲得し、単行本はまだ10巻にも満たないものの売り上げは絶好調、来月にはNHK教育テレビでアニメ放送も始まる、今最も勢いがある漫画と言ってもいいかもしれない。
 また、『バクマン。』は非モテタイムズ的にも大注目の作品だ。なぜなら、サイコーが漫画を描く動機が、「好きな女の子と結婚するため」だからだ。

◆現代版『まんが道』は、生々しい動機を描いている

 サイコーが密かにあこがれているクラスメイト、亜豆(あずき)は声優を目指していた。それを知ったサイコーは、壮大な計画をねって、シュージンとコンビを組むことを決意。壮大な計画とは、自分達の漫画を出版社に売り込んで連載させてもらい、その作品がアニメ化したらヒロイン役に亜豆を起用、というもの。そして、サイコーは亜豆との会話中に「その夢がかなったら、結婚してください」と伝える。亜豆は、実はサイコーに好意を抱いており、その約束をあっさり受け入れてしまう。そんなご都合的展開ではあるのだが、こうして物語は幕を開け、サイコーとシュージンは自身の「まんが道」を驀進していくことになる。

 二人とも本当に漫画が大好き、という描写で 漫画家を目指すモチベーションを描いてはいるものの、サイコーは亜豆との結婚、シュージンは金や名声、といった「生々しい動機」もまた描かれている。

◆ 賛否両論ある『バクマン。』 プロ作家がブラックコメディも

 現『ジャンプ』連載陣の中でもかなりの人気を誇る『バクマン。』だが、その評価は賛否両論だ。クリエイター、特に実際に職業として漫画を描いている人の中には、『バクマン。』を楽しんでいる人もいるかもしれないが、ネット上では原作者である大場さんに対して激しい怒りを表明した人もいる。
 『燃えよペン』など、『バクマン。』と同じ「マンガ家マンガ」も多く描いている島本和彦さんは、自身のブログで次のように述べている

 「で、「バクマン」
 やっぱり絵がうまいし面白い
 直前に大ヒット飛ばしたペア(実際の作者が)だから
 上から目線で展開できるマンガ家マンガ
 誰も文句が言えない(笑)。
 あの二人がこのあと大ヒット飛ばして
 そのあと壊れてくまで描いてほしいね(笑)。あ、少年誌だからそれはないかな?」

 また『百舌鳥さん逆上する』を月刊アフタヌーンで連載中の篠房六郎さんは、mixiの日記で『バクマン。』を激しく批判した。また、最近発売された短編集『家政婦が黙殺』では、巻末描き下ろし漫画として、『FUCKMAN』という『バクマン。』に対する痛烈な皮肉と批判をこめたブラックコメディを描いている。

 本誌連載分では物語も佳境に入りつつある『バクマン。』。その真価は、あなた自身の目で確かめてもらいたい。(小山内)

*NHKアニメワールド バクマン。HP(http://www9.nhk.or.jp/anime/bakuman/)

【参照】非モテタイムズ
http://himo2.jp/

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