◇今週のこの1枚◇カラー・フィールド「Virgins and Philistines」(1985年/EMI)
スペシャルズに復帰してマイペースにライブを演っているみたいですが、そのボーカル、テリー・ホールのファン・ボーイ・スリーを経ての3番目のバンドです。若い頃からこの人の声が大好きで、この頃はまだ12インチシングルも全盛で、多分カラー・フィールドも全部持ってると思います。
当然ご存じのスペシャルズは、1970年代後半から2TONEブームをイギリスで巻き起こした中心のバンドで、今でも絶大なるフォロワーを持っているバンドです。それでもnew wave全盛の頃では新しい音楽を見つけることがステイタスだったので、アフリカのリズムに怪しい雰囲気をミックスさせたファン・ボーイ・スリーとjazz、soul、ska、danceなどを巧みにミックスさせたスペシャルAKAに分かれます。その2つのバンドも終焉を迎え、ファン・ボーイ・スリーから新たにテリー・ホールが結成したバンドがカラー・フィールドです。
それまで時代の先端を走っていたイメージでしたが、まさかのアコースティックを中心としたバンドでした。このアルバムは3枚のアルバムの中の1stです。自分の中では、隠れた名盤だと思っています。テリー・ホールのソングライティングが目覚ましく成長したのが窺えます。派手さは無いものの、メロディを中心に丁寧に作られています。今の時代の方がもしかしたら合っているかもしれません。とても浮遊感のある気持ちのいいアルバムです。
私はLPで持っているのですが、再発されたCDには、ボーナストラックも入っています。歌モノに徹したテリー・ホールを覗いてみるのもなかなかいいですよ。
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