奈良県警は10月9日までに、覚せい剤取締法違反(所持)容疑で、高速バス運転手の男(49=大阪府大阪市浪速区浪速西)を現行犯逮捕し、同法の使用容疑と合わせて、奈良地検葛城支部に送検した。
逮捕、送検容疑は9月26日から、勤務明けだった10月7日までの間に、千葉県内などで覚せい剤を使い、同日正午頃、大阪市大正区の病院駐車場に止めた乗用車内に、覚せい剤を隠し持っていた疑い。
県警によると、男は同市大正区の高速バス会社「インフォマティック」の社員で、5日夜、大阪市内から高速バスを運転し、千葉県市川市に到着。復路の乗務前の6日午後7時頃に、覚せい剤を使用した。バスは同日午後10時20分に市川を出発し、大阪に向かった。男は午前1時まで運転して、同僚の男性運転手と交代。その後、午前3時50分から7時まで運転したという。バスには38人の乗客が乗っていた。市川〜大阪間の走行距離は約600キロ。
男が覚せい剤を使っているとの情報が県警に寄せられ捜索したところ、夜勤明けの7日午後、大正区内の病院駐車場に止めた乗用車から、覚醒剤0.159グラムと吸引用のパイプが見つかった。尿検査で覚せい剤の陽性反応が出た。
男は「覚せい剤の使用後、バスを運転した」と容疑を認めている。
県警では、男が眠気覚ましのために乗務前に覚せい剤を使用した可能性があるとみて調べているが、運転中にもし事故が起きていたらと考えると、ゾッとする話である。
(蔵元英二)