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深刻…『交通誘導員』不足で全国被災地の再建工事が続々ストップ

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提供:週刊実話

 “ただの棒振り”視される「交通誘導員」だが、公道を使用する工事には、彼らのような交通誘導員の配置義務がある。交通量の多い道路なら、交通誘導警備業務検定2級以上の国家資格を持った交通誘導員(以下:誘導員)が必要だ。だが、その資格に見合った待遇であるとは言い難い。

 「誘導員の不足が深刻化しています。ハローワークに掲載されている求人によれば、誘導員が多数を占める『他に分類されない保安』の2016年度の有効求人倍率は全国で33.7倍に達し、東京五輪をにらんだ建設ラッシュに沸く東京都内に限れば99.9倍にハネ上がるほどです。原発事故被災地の福島では誘導員が手配できず、工事が止まった現場も。16年4月に発生した熊本地震で被災した九州では警備業者の絶対数が少ないだけに、建設会社は誘導員の確保に頭を悩ませました。その後、毎年のように台風や大雨で各地が被害に遭い、そのたびに都内の斡旋業者にまで発注が掛かりますが、首都圏の仕事だけで手いっぱいですから被災地の不足を補えないのが現状です」(全国紙社会部記者)

 これまで交通誘導員の賃金は、建設資材と同じ共通仮設費に区分されていたため社会保険未加入のまま働かせていた業者も少なくなかっただけではなく、「建設資材と同じ扱いか」との批判の声も根強かった。その結果16年度からは他の建設作業員と同じ、人件費として計上されるようになった。

 「公共工事の場合、誘導員も含めた建設作業員の賃金は、国交省が毎年公表している『設計労務単価』を基準に算出されていますが、17年度の設計労務単価によれば、都内で働く有資格者の誘導員の日当は約1万4000円。近年の人手不足を受け、5年前と比べ4割も上昇したものの、ダンプカーの運転手など他の建設作業員と比べても5000円近く低いのが現状です。その上、行政が賃金を高く見積もっても結局、建設業者や警備業者に中抜きされ、誘導員に渡る金額は減ってしまいます」(労働問題に詳しいライター)

 建設現場でダンプカーの出入りや付近を走る自動車の誘導(検定2級)などを週6日勤務しても月給は20万円に満たない。この待遇の悪さが誘導員不足に拍車を掛けている。

 自転車や徒歩で誘導されたら、せめて感謝の意味を込めて、軽く会釈くらいはしよう。

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