その原因というのは、ひとつに岡島の酒癖の悪さがあった。飲めばヒステリックに叫んだり、すぐに手が出たりすることも少なくないような有様。浜口さんも、顔面を殴られたり、足蹴にされたりしていたという。
一方、浜口さんは大変なヤキモチ焼きで、岡島のちょっとしたこと、たとえば彼女の携帯に誰かから電話がかかってきただけで怪しみ、居酒屋で他の客と話をしただけでも怒って怒鳴り散らすという具合だったという。
その浜口さんだが、岡島の酔って振るう暴力には耐えていたようだが、ヤキモチのほうは度を増すばかりで、事件が起こる直前まで、岡島の携帯に1日に何度も繰り返し電話をするなど、かなりしつこかったらしい。また、岡島が家から出るところを待ち伏せて見張るなど、ストーカーまがいの行為をしていたともいわれているが、これは岡島の思い込みとの可能性もある。
また、岡島のほうが浜口さんに結婚を迫ったものの、子供のいる浜口さんが断ったため、より2人の関係がこじれたという話もある。実際、事件の直前に岡島は夫と正式に離婚が成立していたらしい。だが、子供を大切に思う浜口さんが、岡島の申し出を拒否したことは十分に考えられる。
詳細についての真偽は定かではないが、ともかく、2人の関係がこじれていたことは確かなようである。
そして事件は9月24日の夜に起こった。
当日の午後10時頃、小川町腰越にある焼鳥店を出た2人は、駐車場で激しく口論となった。そして岡島がクルマに乗りこむと、いきなりバックで発進させて、その後ろにいた浜口さんをはねたのである。
だが、バックでたいしたスピードが出ていなかったためか、浜口さんはすぐ立ち上がった。ところが、岡島はさらに彼をはねた上に、さらにクルマの向きを変え、今度は直進して彼の正面から追突した。そして、倒れた浜口さんを、さらにクルマでひいて岡島は猛スピードで逃走した。
浜口さんは即死状態だったという。事件翌日の25日、岡島は警察に逮捕された。取り調べに、容疑を認めたという。
(了)