清水は昨年86試合に出場。今季は正捕手獲得に向け勝負の年と目されていたが、2018年シーズンオフに腰痛が悪化。両足に力が入らない状態となったため、出術を受ける決断をしたという。捕手は試合中つねに「立つ・座る」を繰り返すだけに、腰痛が完治しないということになると、選手生命をも脅かしかねない故障といえるだろう。
日本ハムとしては正捕手候補を失った形で、頭の痛い話。当面はベテランで実績のある鶴岡慎也が出場するものと見られるが、高齢だけにフル出場は不安が残る。23歳の石川亮や、2017年にDeNAから移籍した黒羽根利規、實松一成捕手兼2軍バッテリーコーチなどが控えており、盤石ともいえるが、長期的な目で見た場合、有力な若手捕手が欲しいところだ。
そこで密かに噂されているのが、斎藤佑樹投手を交換要員とした大型トレード。吉田輝星投手が入団し、清宮幸太郎選手も抱える日本ハムで、「かつてのスター」斎藤は人気・実力ともに“お荷物”となっていることから、「客が呼べるうち」に移籍させてしまおうというのだ。
野球関係者はこう話す。
「斎藤はストレートに力もなく、コントロールもアバウト。なんとかフォークボールで目先を変えて抑えるスタイルで すが、もはや二軍でも通用しておらず、先はないと言っても過言ではない。若い捕手が欲しい状況となれば、真っ先に売るのでは」
そんな斎藤を引き取る球団はあるのだろうか?前出の関係者はこう見る。
「巨人ですよ。2017年のドラフトで捕手を2人獲得した挙げ句、2018年オフには炭谷銀仁朗を西武から獲っている。さらに、阿部慎之助も捕手に戻ると言っていますからね。捕手は飽和状態にある。
トレードの第一候補は小林誠司でしょう。正捕手は原辰徳監督の母校である東海大相模・東海大出身の大城卓三が有力で、控えに炭谷・阿部。二軍には宇佐見真吾と岸田行倫がいて、いずれも打撃の力は小林より上。
特に大城は高校・大学・社会人と強打の捕手で鳴らしており、昨年もその片鱗を見せています。小林の出る幕はありません。それに小林は前首脳陣から冷遇されており、続く可能性が高い。
巨人は今季、丸佳浩や炭谷、岩隈久志を補強したものの、人気選手とは言えず、話題性に乏しい部分があり、出てくる話題といえば原監督のことばかり。仮に斎藤が入団するとなれば、話題性は抜群でしょう。斎藤プラス野手1人と小林なら、釣り合いが取れるのでは」
清水故障離脱でにわかに騒がしくなった日本ハムの編成事情。ついに斎藤がトレードに出されてしまうのか、注目したい。
文・櫻井哲夫