「台湾メディアが日本ハムに密着する予定です。人気の王柏融が台湾から移籍し、日本球界での活躍を楽しみにしている“テレビ視聴者”も多いので」(特派記者)
台湾プロ野球・ラミゴの主砲、王柏融(25)は2017年シーズンまで2年連続打率4割を記録したスラッガーである。「大王(ダーワン)」のニックネームもつけられた人気選手で、台湾では日本のプロ野球も中継されているため、「日本ハムの試合を観たいとする契約者も増えるのではないか?」と、大きな期待も寄せられている。
現地の関係者によれば、パ・リーグの試合はワンセットで契約できるという。だが、一番の人気選手は陽岱鋼とのことで、巨人移籍後はそちらに契約者を奪われていたそうだ。日本ハム、パ・リーグは契約者数の巻き返しも図れそうだが、ネット裏が賑やかになる理由は殺到する台湾メディアだけではない。“清宮パパ”である。
清宮パパこと、清宮克幸氏(51)は今シーズン限りでラグビー・ヤマハ発動機の監督を退任した。「今後に関しては未定」とのことだが、日本ラグビー界のカリスマ的存在だ。
「2019年、ラグビーのワールドカップが日本で開催されます。解説、大会PRのため、テレビ出演などで忙しくなるのではないか」(スポーツ紙記者)
それだけではない。ラグビー関係者、ヤマハなどから漏れ伝わってくる話によれば、「息子の試合観戦を楽しみにしている」という。そうなれば、試合前、息子に喝を入れるなんてシーンも見られるかもしれない。
克幸氏の父親像について、中学硬式野球チームの関係者に聞いてみた。清宮は中学時代、東京のリトルシニアチームに所属していた。
「時々、ご夫婦で観戦されていました。お母さんは他のお母さんたちと一緒に声援を送っていましたが、克幸氏は後ろのほうで黙って観ているだけ。試合後か試合前、指導者のところに行き、『お世話になっています』と挨拶されていましたよ」
一般論として、スポーツチームに息子を預けている父親は競技経験があるせいか、評論家になってしまう。自分の息子に止まらず、相手投手や他選手、練習メニューについても批評している。しかし、克幸氏は一切口を開かなかったそうだ。ラグビーでは、選手、監督の両方で成功した人。競技が異なるからか、ひと言も口を挟まなかったそうだ。
このへんはさすがだと思うが、プロ野球側からはこんな声も聞かれた。
「清宮クンの指名前面談の席上で、西武球団に対し、選手寮が古いとか、けっこう痛いところを突いていましたよ。日ハムの栗山監督とはスポーツ情報番組で共演して以来、意気投合したと聞いていますが」(在京球団スタッフ)
気心の知れた栗山監督、そして、ムスコにはハッキリと言いたいことを口にする場面もあるかもしれない。克幸氏が“マネージャー化”する可能性は捨てきれない。
「王柏融の加入で、清宮が外野でレギュラーを獲る可能性は極めて低くなった。中田翔が残留し、一塁のポジションは埋まったまま。指名打者のポジションを外国人選手、近藤健介と争うのか、それとも、中田に挑戦するのか。中田か清宮を三塁にコンバートさせる案はまだ消えていないそうですが」(プロ野球解説者)
2年目のシーズンも試練の連続となりそうだ。毎日が授業参観みたいな気分でイヤだろうが、台湾の王に出場機会を奪われたとなれば、ガッカリするのは父・克幸氏だけではない。父の檄で飛躍の一年にしてもらいたい。(スポーツライター・飯山満)